小又山&神室山、少し秋へ | 降っても晴れても

降っても晴れても

山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

小又山(こまたやま)にはいつか登りたいと思っていた。ここは最上川水系の源流の一つで、神室連峰の最高峰である。神室山よりも標高が1.5m高い。しかし主役は神室山のほうで、200名山にも入っている。この二座を、白川林道の奥から周回でめぐることにした。

 

小又山からナナカマド越しに神室山を見る

登山口があるのは大又沢沿いだから、小又ではなくて大又登山口になる。時計回りで。

電子地形図25000(国土地理院)を加工して作成した。(令和元年手続改正により申請適用外)

注:この地形図のスケールは編集されています。距離を参照される場合は元のスケールで確認してください。

 

【2021年9月19日】  大又登山口6:20~越途8:10-20~小又山9:10-20~天狗森10:10~神室山11:40-12:00~根ノ崎登山口14:20   コースタイム9時間20分/行動時間8時間(休憩含む)

 

前日は雨降りの土曜日を有効利用して、ひたすら420km走って新庄入り&スタンバイした。

なので今日はらくらくアクセスである。R47で最上町に入って、登山口をめざす。

昨日の雨が朝もやを残していった。神室連峰の末端の雲もやがて消えていくだろう。

 

白川林道は最後の1.2kmが両側からの草かぶりがすごくて、車が泣いていた。これは本当になんとかしてほしい。心配していた雨の影響は、走行上は問題なかった。

駐車スペースはここ(大又登山口)に2台、奥の根ノ崎登山口周辺に6台ほどある。下山時には満車になっていた。キャパに見合った数の登山者がやってくるということか。

 

ロングスパッツ付けて出発します。小又山まで累積標高差は1000mちょうど。急登は前半に集中しているから、なおさら体感斜度が増すようだ。

 

すぐにブナが交じるようになってきて、さすがは東北だと関心しきり。

出だしは絶好調。最近これが最後まで続かないのが困ったものだ。

 

ブナの根方が巨大なコブになっていた。コブは菌の侵入によってできるらしい。

どれだけ菌が侵入したんだろう。

 

合目標識がずっとあるので、登る時間の目安になる。その位置というのは高低差ではなくて、だいたいの距離で決められているようだ。

 

六合目の越途(こえと)です。ここで西ノ又沢からのコースが合流する。きつい登りはあらかた終わり。

ここでしっかりと栄養・水分補給をしていきます。だいたい計算通りの順調なペースだった。

 

越途から一旦下ってゆるゆる登っていくと、小又山が見えてきた。雲もすっかり払われたし、気持ちよさそうなスカイラインだ。

 

もうちょっと登ると、右手には神室山。けっこう遠くに見えるではないか。小又・神室間は3時間だから、そりゃあ遠いだろう。

あれは先週登った須金岳だと思ってたら、左端の最高地点は虎毛山のようだ。山頂避難小屋がポツンと飛び出しているのがよく見えた。

 

標高1300m付近、山頂はもうすぐだ。

登ってきた尾根を振り返れば、遠くには鬼首カルデラの山々が並んでいる。左から、須金岳・荒雄岳・禿岳と。その手前には山形・宮城県境のヤブ稜線が横たわっている。

 

誰もいない小又山山頂に到着! 天気も気分も最高です。神室連峰最高峰と書いてある。

 

南西側を展望すれば、黒滝峰の先には堂々と翼を広げたようが火打岳。俄然あの山にも登りたくなった。いずれまた来る機会があるでしょう。

ずっと遠くには月山、左に村山葉山も見えている。山形の山々も、ほぼわかるようになったかな。

北西の方角には孤高の鳥海山です。その右手前の低いゴツゴツした山なみは、丁(ひのと)山地と呼ばれるローカルなエリア。甑山などなどあって、あの向こう側は秋田県ですね。

行ってみたいけれど、将来車の買い替え査定が終わってからにしたい。

 

ついでながら、頭の左上は高松岳と焼石岳。右手が虎毛山と栗駒山。

ということで、さすがに秋田駒と岩手山は見えない。

 

行く手には、これから向かう神室山が四方に尾根を伸ばしている。こうして見ると神室山も小又山も、1360mほどの山には見えない。東北のミニアルプスと呼ばれるだけのことはある。

谷川連峰の蓬峠あたりと比べても遜色はない。

 

天狗森を越えて、切り開きの素晴らしい快適な道が続く。

このあたりで逆周りの方とスライドした。登山口を出発間際に、車で入ってきて言葉を交わした人だった。とにかく数えるほどしか登山者はいない。

 

神室山本体への登りとなる。さすがにもうスタミナが切れた。ペースダウンしながらも足を上げる。

 

根ノ崎分岐を過ぎて避難小屋もすぐそこに見える。最後の15分が粘りどころだった。

 

スタートから5時間20分かかって、神室山山頂に着きました。ここは二度目です。

前回は湯沢市側の役内口から周回した。でももう一度くらい来てもいいと思う。西側の神室ダムから周回で、紅葉真っ盛りの頃にでも。

三角点と祠・石碑など。この周辺地方には古来より神室山信仰が栄えていた。山頂で火を焚いて雨乞いもしたという。また女人禁制の山であった。そういう信仰の歴史は、今ではすっかり影をひそめてしまったように思われる。

 

登山者が二人休んでいたが、やがて降りていった。

小又山を見つめる。今立っている自分の頭と、あの山頂が同じ高さなのだ。

 

下山にかかります。根ノ崎登山口に至る尾根は十里長峰と呼ばれる。随所に急坂・ヤセ尾根があるが、岩場というわけではないので問題はない。

 

下りながらもう一度、小又山の陰影を目に焼き付けていく。

もう真夏の緑ではなくて、秋への準備を整えているようだった。

どんどん下ります。

 

あとはブナの森へ。

ブナの森の中へ。最後はもう、下るのもだいぶ疲れた。

 

ヒョロリとしたギンリョウソウを見つけた。

 

根ノ崎登山口に降り立って、あと林道を7分ほど歩いたらこの橋。渡った所に車が待っていた。

 

今日はずっと南下して東根に泊まる。

東の山の端に満月が懸かり、黒伏山南壁がシルエットになる。船形山(御所山)はその奥に隠れて見えなかった。

 

つづく