北関東三十六不動尊霊場 東上州の札所をめぐる | 降っても晴れても

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山に登ったり走ったり、東へ西へ・・・

先週は茨城県の不動尊霊場を半分めぐったので、今回は群馬県に行ってみました
群馬県にあるのはみなかみ町の1番から館林市の12番までの12ヶ所です。今日はその後半の6番から打つ予定だったけれども、関越道が事故渋滞で完全ストップしたため館林からの逆打ちにしました。

【2018年2月24日】

とは言うもののいきなり札所を訪れたわけではなくて、長い寄り道をして石仏や狛犬を見ながら進んでいった。その話は後回しにして、館林駅の南東の緑町界隈までやってきた。

第12番遍照寺 新宿不動尊

真言宗豊山派の寺院。狭い路地の奥に広い駐車場と境内があった。風格のある山門をくぐっていく。
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左手墓地の地蔵菩薩と如意輪観音。
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本堂は巨大で、納経所は二軒隣りと書いてある。御朱印をいただく間に玄関口から本堂まで案内してもらったが、三棟が長い廊下でつながっていて驚いた。一口に札所と言ってもいろいろあるし、行ってみないとどんな寺院なのかは分からないものだ。
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長い廊下の曲がり角にこんなものがあった。とても大きい。
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堂内にあった納経掛軸。西国・坂東・秩父・四国があり、一番右には北関東三十六不動のものがあった。これをよく見ると前回に一番字がうまくなかった札所の文字は、やはり代筆だったことがわかった。
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とても穏やかで品格のよい奥方が書いたとは思えない達筆である。
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第11番光恩寺 赤岩不動尊

11番は邑楽郡千代田町の利根川に近い場所にある。右隣りには長屋門の保存建築物もある。
山門の前には仁王像が待ち構えていた。
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ブロンズ製らしいが、力強い体型にまとめあげた感じがある。
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境内の左手になにか大切なものがあるようだ。地蔵菩薩板碑だった。
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線刻ではなくて、浅い浮彫で表現されている。上部の欠損した部分には種子が刻まれていたのだろう。
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その隣りの不動明王は、やや新しいが利剣とこちらに両睨みを効かせているようだ。
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ここも堂内でお参りをしていく。今度はゴールドの五鈷杵に五色の紐が巻き付けられている。住職不在で御朱印を書けないからということで、差替え式の出来てるものをいただいた。そのように準備しておいてくれるのはありがたいことだ。
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北関東三十六不動尊は真言宗と天台宗の寺院のみで構成される。密教の法具や曼荼羅など、どこを訪ねても整然と整えられていた。
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こちらはお前立の不動明王なのだろう。
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差替え式なので、まだ綴じてない。「不」の字があまりにも凄い。
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さらに境内の庭園の片隅に石仏が並んでいた。庚申塔の邪鬼は変わり者だった。三者三様の特徴があって面白い。
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青面金剛は口を開いて何を考えているのだろうか。
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第10番医王寺 黄金身代り不動尊

今日たどっているのは「鶴舞う形の群馬県」(上毛かるたより)の鶴の首の部分にあたる。11番から10番へは首の付け根に向かっていく形になる。
太田市の旧新田郡新田町に入った所に医王寺が建っている。
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境内の不動堂はやや雑然とした趣だが、明和4年造立の不動明王が立っている。間近で見る姿に圧倒される。
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不動堂の外には10番のシンボルである不思議童子の像がある。
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呼び鈴を鳴らしてからおばあさんが出てくるまでに間があったが、納経帳を受け取ってもらって一安心。書いてもらってる間にお参りをした。大聖不動明王の祭壇を見上げる。
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厨子に入った不動明王と二童子。これは脇仏だろうか。
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納経帳を手にして戻って来たおばあさん曰く、今日は住職がいないので印しか押せないとのこと。そうですか、差替え式というものはないんですね・・・(あるのかもしれない)
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第9番西慶寺 新田の触不動尊

本日最後の9番は10番から近い。東武桐生線治良門橋駅の南東の線路際に建っている。
鐘楼門をくぐって入ると、本堂は大々的に立替え工事中だった。以前の写真を見る限りではそんなに古そうではなかったが。
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境内左手には不動堂が健在だった。しかしここは拝観なしである。
新田の触不動というのは新田義貞にちなんだ名前である。新田義貞の戦勝祈願に応えてくれたという言い伝えがある。その不動明王は二尺(60cm)のものであり、火炎を持たないのが特徴だという。
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北関東不動尊のみならず、坂東観音霊場の息吹すら感じさせる話である。
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今日はここまで。明日に続く前に番外編があります。