秋空・秋よ来い | 遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

遊歩徒然(NOBUのつぶやき)

日常の思いを風に乗せてつぶやくように・・

 

 

 

実るほど頭を垂れる稲穂かな 作者不明

 

秋来ぬと目にはさやかに見えねども

      風の音にぞおどろかれぬる

          藤原敏行朝臣・古今和歌集

          

 

 

なかなか実ることのない己

中身が空でも頭を垂れる己

 

稲は偉い

毎年

風水害

虫たちの来訪

鳥たちの来訪

みんな受けて立ち

それでも

実を結ぶ

 

ソロソロ

己の少しの中身も

涸れていくとき

 

まだ恋だの

愛だの

虚しいだの

生きにくいだの

暑いだの

秋は来るのかなど

 

何をうだうだ

川端柳

 

そのまま

中身のないまま

風のまにまに

吹き飛ばされて

 

何処かへ

行き着くのか

巷の塵として

掃きこまれるのか

 

生きた

証が

どこかに残る

訳でもない

 

そのままの残滓

そのまま以外にない

 

でも

精一杯

 

 

9月13日 居待月

 

眼に見えてきた秋

風の音は変わったのかもしれない

実感しない日中の暑さに

打ちのめされそうな日日

 

明日は眼に見える秋を

また探そう

そして風を感じるよう

薄物を着て

 

秋は空にある

空を見つめ

彷徨う

 

秋よ来い

 

秋は寂しい

 

        2022.9.13 晴 34℃