こんにちは。

一恵@リアルタイムです。

 

 久し振りに読書感想文です。

本を読んでいないわけじゃないんですが、このブログでご紹介するようなジャンルではないものが多かったので。

 

 さて、このタイトルの四巨頭というのは、セクシャルマイノリティの四人です。

 

・男好きの男 かずあき

・女好きの女 竹内佐千子

・女だった男 西野とおる

・男だった女 能町みね子

 

の四人の方々(敬称略)で、共通点は漫画家或いは漫画も描く文筆業。ですからこの本は、文章と漫画が交互に出て来ます。

 

 わたしが知っていたのは前に著書をご紹介したことのある(↓)男だった女、能町みね子さんだけでした。

 

 

 

 

 そして、この本の帯に書いてあるのが下記の通り。

 

「大変ですね」と言われるほど大変じゃない。

「ふつう」に生きるセクシャルマイノリティ

人気漫画家の生きざま

ゲイxレズビアンxFtMxMtF

 

 四人での会談と、ゲイとレズビアンの対談、FtMとMtFの対談が展開されて、ぶっちゃけた話を生々しく語ってくれています。生い立ちのほか、セックスの話や手術の話もあって、お互いに結構突っ込みが鋭いので面白いです。

 

 面白かったのが、世間でいわゆるオカマと言われているキャラなのがゲイのかずあきさんだったこと。別に女装してるわけじゃないんですよ。その口調や態度がオカマっぽい。みんなから「歩くカミングアウト」って呼ばれてました。

 

 そういえば、能町さんが自分のことをオカマって表現していたことがありましたが、全然オカマっぽくありませんね。

 

 MtFの人も育っていく過程でオカマとかの陰口を叩かれたとは思うんですけど、オカマという言葉がMtFよりゲイに似合うっていうのは改めて発見したような気になりました。

 

 MtFの能町さんは最初から性自認が女だったわけではないけれど男らしく生きることができなくて、将来を考えたときに女として生きるしかないという消去法だったそうです。

 

 女になろうとしたわりには、化粧とか女の服装とかには興味がなくてスカートにも憧れはなかったそう。

 

 FtMの西野さんは女子高生生活を楽しんでいたし、手術後の今でもロン毛でレディースもよく着たりもするそうで、能町さんとは、どちらもそれほどしっかり女らしく/男らしくなろうとしていない点で気が合うようです。

 

 だから、よくあるFtM/MtFの集まりに行くと、そこにいる人たちとは全然合わないんだそうです。

 

 西野さんは、なんでロン毛なの?めめしいなあとか、それレディースじゃねぇ?今度服買いに行こうぜとか言われるって。

 

 能町さんは、休日なのにセミフォーマルの服で年齢に関わらず決まったようにミニスカートを履いている人たちが理解できないって。

 

 そして、どちらの人たちも仲間内で群れていてそこから踏み出そうとしないのが西野さんも能町さんもお気に召さないようで、相当過激な批判が面白い。

 

 四巨頭は自らのセクシャリティのことだけを殊更深刻に悩んでいるのではなくて、ほかにもある生活の悩みの中のひとつとして捉えているのが印象的です。

 

 自分のセクシャリティを受け入れて前向きに生きている四人ですが、彼らのエピソードを読むと、やっぱりそれなりに大変だなあと思いました。