NHK大河ドラマ「光る君へ」から考える平安時代の紅化粧 | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆5月5日放送分では、まひろ(紫式部)が紅を唇につける場面が出てきています!

 

こんにちは、山村です!

 

今日は平安時代の化粧について。

 

私はテレビをそれほど見ないのですが、

今シーズンは下記のNHKの大河ドラマ

「光る君へ」を見ています。

 

 

5月5日の放送では、主人公のまひろ(紫式部)が、

後に夫になる藤原宣孝(のぶたか)から、

「唐物(からもの)」の紅を土産としてもらう

場面がありました。

 

「唐物」とは中国などからの舶来品のこと。

『源氏物語』などの王朝文学にも、

香料をはじめとする、

さまざまな舶来品が登場していますビックリマーク

 

「光る君へ」でまひろがもらった紅の容器は、

よく見ると、花形をした

蓋つきの白い磁器のようでした。

 

時代考証的に見ても、

平安時代から鎌倉時代あたりだと、

銀製や陶器製の花形の紅皿が

使われていたので、

紅の容器はよく考証されていると思いました。

 

時代考証をきちんとするなら、

まひろの年齢の女性はお歯黒をして

眉を剃っているのがあたりまえですが、

それは今の時代に再現するのは無理なので、

仕方ありませんね爆  笑

 

おもしろいことに、紅に関して言えば、

平安時代に書かれた王朝文学には、

紅をつける記述自体が少ない上、

漠然とした表現で書かれていて、

口紅をつけていたとはっきりわかる場面はないのです。

 

これについては、

なぜだろうと私も不思議に思っています。

白粉やお歯黒はつけていたと

はっきり書かれているのですが…。

 

可能性として言えるのは、

『源氏物語』が書かれた11世紀初め

(平安時代中期)には、

口紅や頬紅よりも

白粉やお歯黒の化粧がメインだった

のかもしれません。

 

とはいえ、平安時代後期の

天永2年(1111)に書かれた

有職故実書『江家次第』という文献に、

「口脂箱」(口紅あるいは唇用の軟膏の容器

という言葉が出てくるので、

唇につける化粧料はあったはず。

 

これはほんの一例ですが、

平安時代は資料が少なすぎて、

化粧に限らず、わからないことだらけ。

 

「光る君へ」の脚本家大石静さんも、

きっと苦労されていることと思います。

 

それでも、「紫式部と藤原道長に

恋愛関係があった説でいくのかビックリマーク

「この場面は確か『大鏡』に出てきたな」

などと少し知識があればわかる場面もあり、

脚本家がさまざまな文献を読み込んで

ストーリーを練っているのがよくわかります。

 

少ない資料をつなぎ合わせて

フィクションとからめた脚本は大胆で、

ドラマを普段見ない私も、

どういう展開になるかを楽しみに見続けていますラブラブ

 

そして「光る君へ」の、

まひろのアクティブさは、

私に懐かしいラノベを思い起こさせてくれました。

 

それは、氷室冴子さんの

『なんて素敵にジャパンネスク』シリーズ!!

 

1980年代に集英社のコバルト文庫から

出版され大評判になったラノベで、

ドラマや漫画化もされています。

 

内大臣家の破天荒な瑠璃姫(るりひめ)が、

そのアクティブさゆえに

宮中のさまざまな事件に巻き込まれ

大活躍するラブコメですドキドキ

 

大好きで捨てられず、

いまだに家に置いてあるのを、

4月に久しぶりに読み返しましたビックリマーク

やっぱりいい。私にとっての神ラノベキラキラ

 

「光る君へ」を見てジャパネスクを読む。

私のような人、誰かいませんかはてなマーク爆  笑

 

次回は5月18日頃更新予定。