2007年にデビューしたカネボウのコフレドールが終了に! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆ローンチから18年、中価格帯のコスメブランドがまたひとつなくなります

 

こんにちは、山村です!

 

花王のオーブ終了に次いで、

花王グループの

カネボウ「COFFRET D'OR(コフレドール)」が、

順次販売を終了する

と、4月1日に発表がありました。

 

ブランドの公式サイトでは、トップ画面に

 

「ご愛用のお客様へお知らせ

コフレドールの商品は

2024年6月から順次生産を終了し、

在庫がなくなり次第、

順次販売も終了いたします。」

 

と書かれています。

 

このところ、中価格帯コスメが苦戦していると

何度もブログでも書いてきましたが、

ついにというか、やっぱりというか、

コフレドールもなくなってしまうんですねえーん

 

やっぱりというのは、

近年コフレドールは新製品が減っていて、

昨年はたぶんなかったと思うので、

もしかしたら、と予兆はありました。

 

コフレドールが発売されたのは、

2007年(平成19)12月。

 

テスティモが販売終了になり、

後継のトータルメイクアップブランドとして、

デビューしています。

 

ターゲットは20~30代前半で、

「ひとつ上の、輝きへ。」がコンセプトビックリマーク

 

中価格帯コスメとして、

最初は12品目44種が売り出されました。

 

マキア2008年8月号より コフレドールの広告 柴咲コウさんと常盤貴子さん

 

実は、この2年前の2005年に

資生堂のマキアージュがデビュービックリマーク

 

篠原涼子・伊東美咲・蛯原友里

・栗山千明さんら4人をイメージモデルにした、

大掛かりな宣伝展開をしています。

 

マキアージュの対抗ブランド

という位置づけのコフレドールも、

大型ブランドにふさわしく、

最初は沢尻エリカ・常磐貴子・中谷美紀

・柴咲コウ・北川景子さんら、

5人のミューズを取りそろえた

華やかなキャンペーンを行ったのでした。

 

思い返せば2000年代は、大手化粧品メーカーが、

まだTVCMや雑誌広告といった

マス広告に力を入れていた時代。

 

2006年、資生堂のヘアケアブランドだった

「TSUBSKI(ツバキ)」の発売時には、

仲間由紀恵・広末涼子・杏・黒木メイサさんなど、

12人の女優やモデルを一気に起用した

キャンペーンがありました。

 

いろんなタイプの女性を複数起用するのが

2000年代の化粧品業界では

大型ブランドのあかしだったんでしょうね。

それぞれ、いったいどれほどのお金がかかったのでしょうガーン

 

コフレドールは2010年12月、

発売4周年を機にリニューアル。

「大人の女性の可愛らしさ」をキーワードに、

平子理沙さんなどを起用。

ターゲットを30代前半にしています。

 

さらに2015年にリブランディングを行い、

2018年のブランド誕生10周年では、

イメージモデルに菜々緒さんを起用。

「しなやかに、ハンサム・ビューティへ。」

という新しいコンセプトを打ち出しました。

 

カワイイ路線から、かっこいい路線への刷新。

メーカーの苦労がしのばれますあせる

 

業界の動きを振り返ると、

2000年代になった頃から価格の二極化

徐々に進行しつつあり、

中価格品帯コスメは微妙な位置づけになっていきました。

 

特に近年は、韓国コスメや中国コスメ、

エクセル、キャンメイクに代表される、

プチプラの品質が向上キラキラ

 

ぜいたくしたい時はデパコス、

ふだんはプチプラなどと、

メリハリをつける消費スタイルが

普通に語られるようになってきました。

 

そんな状況の中でのコフレドールの販売終了は、

オーブと同様、残念ですが、時の流れを感じます。

 

資生堂やコーセーなどはどうするのかはてなマーク

他社の動向が気になるところです。

 

新しい動きがありましたら、

また記事にしたいと思っています。

 

次回は4月23日頃更新予定。