30年続いたメイクブランド、花王のオーブが8月で販売終了に! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆チューリップをモチーフにした昔のパッケージ、かわいかったですね!

 

こんにちは、山村です!

 

1月10日、花王のオーブが、

30年の歴史に幕を閉じるというニュースを、

ネットで見て驚きましたびっくり

 

ブランドのホームページによると

「3月から順次生産を終了、

8月末をめどに販売を終了する」とのこと。

 

オーブが発売されたのは1994年。

 

1982年にスキンケアシリーズ、

「花王ソフィーナ」が発売されてから13年目、

ソフィーナのメイクブランドとして、

華々しくデビューしています。

 

90年代前半、日本のメーカーでは、

資生堂のレシェンテ(1989年発売)、

カネボウのテスティモ(1991年発売)が

若い女性に人気の双璧だったと思います。

 

特に1992年には、

テスティモの「落ちない口紅」が大ヒットキラキラ

他社も同様の商品を次々と発売して、

「落ちない口紅」下剋上の時代に突入ビックリマーク

 

そんな中、ローンチされた「オーブ」も、

リップのキャッチフレーズは、

「カップにつかない口紅」でした。

 

TVCMのイメージキャラクターは、

初代がモデルの高橋里奈さん。

シャープな美しさが素敵でしたねラブラブ

 

彼女のあとも上原さくらさん

浜崎あゆみさんなど豪華な面々が続いて、

私も印象に残っています。

 

初期のオーブは、紺色の容器そのものが

チューリップのつぼみのモチーフ。

さらに金色のチューリップのマークもついた、

おしゃれなパッケージドキドキ

 

特にリップの形がとてもかわいくて、

失礼ながら「花王っぽくない」と思ったものです。

 

写真は初期のリップスティック。

リップケースがチューリップの

つぼみの形になっていますビックリマーク

 

「CanCamミニブック きれいになる!噂のコスメ」(1996年刊)より

 

リップだけでなく、

アイシャドウパレットにも

チューリップの模様がありました。

 

「クレア」1997年10月号より

 

初期のオーブはかなりトレンド寄りで、

1997年発売のリップ、

「オーブ ルージュドレシャス」には、

ゴールドやパープル、グリーン系があり、

当時流行していたモードメイクを意識した色構成ビックリマーク

花王のやる気を感じました爆  笑

 

オーブは2008年末から

「オーブ クチュール」に順次リニューアル。

 

リニューアル後は、

「塗る場所が一目でわかるパウダー配置」

「見たまま塗るだけ」など、

メイクが苦手な人でも対応できる

わかりやすさ」を重視する商品設計に。

 

そして2017年に再び「オーブ」に戻り、

「なめらか質感ひと塗りルージュ」

「ブラシひと塗りシャドウ」といった、

ひと塗りでメイクが完成するという

簡単で時短もできる商品を発売しています。

 

ターゲットの年齢も40代から50代にまで広がり、

顧客と一緒にブランドも歳をとった印象です。

 

現在、化粧品の購入は、

安いか高いかのどちらかに

二極化する傾向にあり、

中価格帯のブランドの多くが苦戦しています。

 

オーブは中価格帯に該当する商品。

思うように売り上げが伸びなくて、

販売終了の経営判断に至ったものと思われます。

 

でも、メイクブランドが30年も続いたのは、

それ自体がすごいことなのです!!

 

オーブはなくなりますが、

その一方で、同じ1990年代(正確には1997年

にデビューしたカネボウのKATEは、

リップモンスターを筆頭に、近年絶好調ビックリマーク

 

こちらは花王グループの人気商品として、

まだまだ進化していきそうです。

 

次回は1月29日頃更新予定。