平成の化粧モノがたり 9. 平成の高額コスメを振り返る ② 2000年以降はさらに高価に | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆二極化する化粧品。ハイプレステージコスメはどこまで高くなる?

 

こんにちは、山村です!

 

前回は、1990年代までの

高級コスメについて、

おおよそ、単品で5万円が価格の

上限だったと述べました。

 

ところが、2000年代になると、

さらに高額商品が続々登場するのですビックリマーク

 

代表的な国産メーカーの最高峰クリームを、

2010年までピックアップしてみました。

価格はいずれも税抜ですあせる

 

星2002年 資生堂 ザ・ギンザ エンパワライジングクリーム 10万円

星2003年 ノエビア スペチアーレ 薬用クリーム 10万円

星2005年 カネボウ トワニー センチュリー セルリズム SP クリーム 12万円(完全予約生産)

星2008年 メナード オーセント クリーム 10万円

星2009年 コスメデコルテ AQ ミリオリティ インテンシブ クリーム 12万円

星2010年 カネボウ インプレス グランミュラ グランミュラクリーム 12万円

 

このように、デフレの時期にも関わらず、

単品で10万円以上の商品が発売されたのが

2000年代なのですびっくり

 

自分が買う買わないは別にして、

私も正直、もう3万円、5万円程度では

たじろがなくなりましたビックリマーク

 

でも、ザ・ギンザの

エンパワライジングクリームを使った時には、

テクスチュアも含めて、

「やっぱりいいラブラブ」と感激しましたね爆  笑

 

さらに2010年代後半には、

単品で15万を超える商品も発売されるなど、

各社のフラッグシップとなる

クリームや美容液は、さらに高額化!!

 

化粧水、乳液、美容液、クリームの

4品をそろえれば、

軽く10万、20万円を超えてしまうのが、

ハイプレステージコスメの恐ろしいところですビックリマーク

 

国産メーカーだけでなく、

平成になって参入が増えた

外資系メーカーの商品にも、

ゲラン、ラ・プレリー、シスレーのように、

単品で5万円以上の商品が

ザクザクあるブランドがありました。

 

写真はゲランの最高峰スキンケアライン、

オーキデ アンぺリアルの

ザリッチクリームとアイ&リップ。

それにポーラのB.A セラム プリズルミナ。

3品で約10万円。おかげで冬でも乾燥知らずですラブラブ

 

 

クリームひとつで10万円は極端な例ですが、

美白やシワ対策の機能性化粧品が

1万円以上というのは、

もはやあたりまえ。

 

しかも、高くても売れています!!

 

2010年以降も、アベノミクス効果を追い風に、

高額化粧品は売れていて、

各社が競って商品を充実させています。

 

なぜ高い化粧品が売れるのかはてなマーク

大きな理由は、

平成になると女性の社会進出が進み、

自分が欲しいものに投資する経済的な

余裕ができたことが、まず挙げられます。

 

いわゆる「自分へのご褒美」ですねプレゼント

 

背景にあるのは、

平成に入って外見重視の風潮が広まったこと。

 

「キレイになりたい」「自分磨きをしたい」

という女性たちのニーズが高まった平成には、

化粧品だけでなく、

美容家電なども高額商品が売れましたドライヤー

 

「いくつになってもキレイでいたい」

という思いから、

女性たちは化粧品にも

アンチエイジングなどの効果効能を、

いっそう求めるようになったのです。

 

ここ数年は、そのリバウンドで

「年齢に抗わない生き方」も注目されています。

でも現実問題として、日本では、

来年、女性の2人にひとりが50歳以上になるなど、

超高齢化社会の到来は待ったなしビックリマーク

 

アンチエイジング市場は、

国内でもさらなる成長が見込まれていますラブラブ

 

ただ、10万を超える高額品ともなると、

競合するのは同業他社というより、

お手頃価格になってきた美容医療あせる

 

即効性という点では、

美容医療に分があるのは自明の理。

 

費用対効果を考えると、

日本人がターゲットの場合、

これ以上高くするのはもう限界ではないでしょうか!!

 

それとも、グローバル市場を意識して、

アジアの富裕層をターゲットに、

さらに高額化していくのかはてなマーク

 

その場合、値段に見合う効果効能を、

化粧品としてどう打ち出すのかなど、

課題はさまざま。

 

そういう意味で、ハイプレステージコスメは、

今岐路に立っていると思います。

 

次回は10月16日頃更新予定。