◆平成に開発された美白有効成分は20数種類に！
こんにちは、山村です！
今回は、平成に発売された、
美白有効成分入りの化粧品（医薬部外品）の
進化についてたどってみます
「美白」をうたった化粧品がブレイクしたのは、
1990年（平成2）頃からで、
「美白有効成分アルブチン」を配合した、
資生堂の「ホワイテスエッセンス」
の発売が契機だったと、前回述べました。
しかし、厚生労働省から、
「美白有効成分」として
医薬部外品の認可を最初に受けたのは、
三省製薬の「コウジ酸」で、
1988年（昭和63年）のことでした。
酒造りの職人杜氏（とうじ）の手が
白く美しいことに着目して研究を進め、
「コウジ酸」の美白効果が認められたのです。
三省製薬は開発した「コウジ酸」を、
化粧品会社のクオレに供給。
同年クオレから、
美白有効成分「コウジ酸」入りの、
「プレニッククリーム」が発売されました
この時も、確かに話題にはなったのですが、
企業規模も小さいため、
残念ながら、美白をブームにするほどの
影響力はなかったのでした。
1990年1月に、業界トップの資生堂が
「ホワイテスエッセンス」を発売、
美白ブームの火付け役になると、
3月にはコーセーが、
三省製薬のコウジ酸を配合した、
「ホワイトニングクリームXX」を発売します
価格はどちらも税抜きで1万円でした。
美白有効成分の研究開発から承認までには、
10年かかる（それだけ大変だという意味）
と言われていますから、
昭和時代からの研究開発が、
平成になってようやく実りの時期を迎えた
といえます
こうした美白有効成分の開発がきっかけで、
美白市場が活性化
続いて、カネボウも、
スイスの医薬品メーカーが開発した、
「サイトプロン」を配合した美容液
「ブランシール ホワイトニングスポッツ」
（定価1万円）を7月に発売しました
資生堂の「ホワイテスエッセンス」は、
発売年の年末には200万個を超える
爆発的なヒット商品に
後発のカネボウとコーセーも、
資生堂ほどではないですが、
かなりの売り上げになったそうです
こうした事情もあり、その後、
化粧品各社による美白有効成分の
開発競争が激しくなりました。
1997年（平成9）にはライオンが開発した
「エラグ酸」が承認され、
同年発売の美白美容液
「植物物語素肌力 薬用ホワイトニング」
に配合されました。
さらに1998年には、
ポーラの「ルシノール」が認可を受け、
薬用美白美容液「ホワイトショット」
（定価1万円）が発売されています
写真左は、去年（2018年）発売された
「ホワイトショットCXS」。
初代から数えて5代目です。
右も去年発売の、フィルナチュラント
「フォルミュール ホワイタミンQQ」。
どちらも医薬部外品の美白美容液です
続いて1999年には、花王の「カモミラET」が
美白有効成分として承認され、
翌2000年3月にこれを配合した
「薬用ホワイトニングディープホワイト
ホワイトニングエッセンス」
が発売されました。
上記商品のなかでも、
ライオンと花王の商品は、
前者が定価1800円、後者が5000円と
お得感のあるお値段
資生堂「ホワイテスエッセンス」の
発売から10年経つ頃には、
お手頃価格の商品も増えて、
美白化粧品市場が成熟してきたといえます。
その後も、
資生堂の「トラネキサム酸」、「4MSK」、
大塚製薬の「エナジーシグナルAMP」、
カネボウの「マグノリグナン」など、
次々と新規の美白有効成分が開発され、
その数は20種類を超えました。
昨年末には、ポーラの新規美白有効成分が、
医薬部外品の承認を取得しています
市場では約10年ぶりだそうで、
どんな商品が発売されるか、
今から楽しみです
簡単にまとめると、平成の前半は、
シミ・ソバカスができるのを予防したり、
悪化を防ぐ美白有効成分を配合した商品が
多かったのですが、今では、
それに加えて、すでにあるシミを改善する
成分入りの商品も発売されています
美白化粧品は、この30年で、
ずいぶん進化したのです
でも、たくさんの商品の中から
どれが自分に合うかは、人それぞれ。
実際に使ってみないとわかりません。
ここが一番の問題なんですけどね
私もいろんな美白化粧品を試してきましたが、
私の場合、相性がよかったのは、
ポーラの歴代のホワイトショットのシリーズと、
ランコムの「ブランエクスペール
メラノライザーAIアドバンスト」でした
10年前とくらべて、
着実に気になるシミが薄くなっています
美容医療のような即効性こそないですが、
最近の美白化粧品はつくづく優秀だと思います
次回は1月23日更新予定。