◆昭和40年代まで、髪を洗うのは週に1回程度だった！
こんにちは、山村です！
みなさんは、10月20日が頭髪の日なのを、
ご存知でしたか
「とう（10）はつ（20）」の語呂合わせですが、
私はつい先日まで知りませんでした
なんでも、「公益社団法人日本毛髪科学協会」が、
昭和52年（1977）に制定したそうで、
この日の前後に、無料毛髪相談などの、
啓発イベントがおこなわれているとか。
今回のブログでは、「頭髪の日」を前に、
戦後日本のヘアケア事情を振り返ってみます。
テーマは、日本女性の洗髪の頻度についてです。
㈱プラネットが2017年に発表した
「シャンプー・リンスに関する意識調査」によると、
現代は、毎日洗髪する人が多数派です
女性の場合、20～40代までは、
7割以上が毎日（1日1回）洗髪派
しかし、加齢とともに毎日洗髪派は減る傾向にあり、
50代になると、1日おきが2割に達し、
70代以上だと週に2～3回が一番多くて4割強です。
そもそも、髪を毎日洗うようになったのは、
ここ30年のこと
戦前の美容記事をみると、
月に1～2回、汗をかく夏は1週間～10日に1回、
などと書かれたものがほとんどです。
これは、江戸時代から、それほど変わりません。
理由はいくつか考えられますが、
戦前までは長い髪を結っている女性が多かった時代でもあり、
洗髪が大変で、そうそう洗えなかったのが一番の理由と、私は考えています。
当時は内風呂がない家も多く、
湯沸かし器もありませんでしたから、
洗髪は大仕事だったのです
ちなみに、江戸時代の洗髪事情については、
以前にこのブログでも紹介しています。
戦後になって、女性が髪を短くして、
流行のコールドパーマをかけるようになると、
洗髪回数は少しずつ増えます。
下の写真は、昭和30年の『主婦の友』に掲載された、
流行のファッションとヘアスタイル
オードリー・ヘプバーン人気の影響を受けて、
パーマをかけたショートヘアが流行中だった頃
モデルさんたちも、ショートヘアにパーマをかけたヘアスタイル。
頭が小さく見えるようにセットしているのがポイントです。
一番右の女性は、八頭身美人で有名だった伊藤絹子さん
ミスユニバース世界第三位になったあとも、
しばらくは、女優やモデルの仕事をしていました。
新聞や女性誌の美容記事を調べてみると、
昭和20年代から40年代にかけての洗髪回数は、
基本が1週間に1回。
夏は5日に1回から、多くて週に2回が主流でした。
髪を洗う洗髪料も変化しました。
戦前はふのりやうどん粉、石鹸などを使って洗っていたのが、
戦後は界面活性剤の入った処方のシャンプーが、
使われるようになります。
現在、よく使われるシャンプーはこのタイプです
写真は、昭和26年の
『ビュウティ・ブック』秋号（婦人画報社）に掲載された、
ヨウモトシャンプーと、
パーマに用いるコールドウェーブ液の広告です。
シャンプーの説明にある
ソープレスソープとは、
合成界面活性剤を使ったシャンプーを指しています。
中性の洗剤なので、
アルカリ性の石鹸のように、
髪を洗ったあとゴワゴワしないと好評でした。
ちなみに、戦前からある花王シャンプーの広告だと、
戦前で月2回～週に1回の洗髪を推奨。
昭和30年に発売された花王フェザーシャンプーの広告は、
30年代後半には、5日に1回を推奨しています。
自社のシャンプーの売り上げを伸ばしたいためでしょうが、
新聞・雑誌の美容記事とくらべても、
おススメの洗髪回数を、いつも多めに設定していました
それでも昭和40年代まで、
洗髪の回数がそれほど増えていないのは、
コールドパーマが流行していたせいもあると思います。
コールドパーマは、
かけただけでは、髪がウェーブでクルクルになったままなので、
セットが必須
髪にカーラーを巻いて、
お釜とよばれる大きなヘアドライヤーに入って乾かし、
かっちりとセットしました。
洗髪するとセットがくずれてしまうので、
美容院に行ったあとは、
そのまま1週間位は髪を洗わず、
形をキープする女性が多かったと思われます。
ところが、昭和50年代から昭和末期にかけて、
洗髪の回数は、大きく変化します。
次回は、週に1回だった洗髪回数が、
毎日になったわけをひもときます。
10月17日更新予定。