サントリー美術館「神の宝の玉手箱」展に行きました! | 化粧の日本史ブログ by Yamamura

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◆女性の身のまわり品を入れた手箱のなかには、化粧道具もありました!

 

こんにちは、山村です!

 

サントリー美術館・読売新聞社主催の

「神の宝の玉手箱」展を見てきましたビックリマーク

 

日本各地の神社や博物館、

美術館などから集められた手箱が、

ずらりと並んだ様子は圧巻!!

 

行ってよかったと思える展覧会でしたドキドキ

 

美術館のある東京ミッドタウンの吹き抜けでは、

大きな垂れ幕がお出迎え。

 

 

手箱とは、もともと

貴人の身の回りの品々を入れた箱のこと
身分の高い特権階級が持つ手箱には、

蒔絵(まきえ)や螺鈿(らでん)などで、

贅をつくした装飾がほどこされています。

 

時代も鎌倉時代(13世紀)などと古いものもあり、

よくもこれだけ集められたと感嘆!!

 

さらに、その内容品には、

櫛や鏡、お歯黒や眉関連の化粧用具

入っているものもあるのです。

 

下記の手箱は、いずれも化粧用具入り。

神社に奉納されたご神宝の数々ですキラキラ

 

●和歌山県の熊野速玉大社所蔵
「桐蒔絵手箱および内容品」(南北朝時代 1390年頃)
「唐花唐草蒔絵手箱および内容品」(時代は同じ)

 

●鹿児島県の枚聞(ひらきき)神社所蔵
「松梅蒔絵手箱および内容品」(室町時代 16世紀)

 

●島根県の出雲大社所蔵
「御箪笥および内容品」(江戸時代 17世紀)
「二重亀甲有字紋散蒔絵角赤手箱および内容品」(江戸時代 18世紀)。

 

(期間途中で展示替えがある手箱もあります)

 

内容品は、

円鏡、円鏡箱、白粉箱、お歯黒箱、

お歯黒筆、花形の小皿、眉作り、

毛抜き、ハサミ、薫物箱、櫛などビックリマーク

 

手箱によって微妙に中身は違いますが、

化粧用具の存在は、

当時から身分の高い女性が白粉をつけ、

お歯黒や眉化粧をしていたことを裏付ける

手掛かりになるのです!!

 

 

左が図録で右がチラシ。

チラシにも化粧用具や櫛類の写真が載っています。

 

図録の表紙や裏表紙には、

サントリー美術館所蔵の

「浮線綾螺鈿蒔絵手箱(ふせんりょうらでんまきえてばこ)」(13世紀)

の文様がそのままデザインされていて、

図録自体が手箱のような豪華絢爛なつくりキラキラ

 

私が行ったのは6月初旬。

平日のせいか人が少なく、

時間をかけてじっくり見ることができました。

会期は7月17日まで。

 

日本各地から集められた、

これほど古い手箱を、

一堂に見ることができる機会はまずないでしょう。

 

皆様も、一度足を運ばれてはいかがでしょうかビックリマーク 

おススメですラブラブ

 

次回は再び明治時代に戻り、

「これ何?」的な化粧品広告をご紹介する予定。

 

6月21日更新予定。