数学の基礎力をつけるのは割と簡単で
受験数学の基礎力なら数か月で身につけることができます.
でも応用力をつけるのはかなり大変です.
みなさんが受験生で
国公立大や難関私大、私大医学部などを志望していて
偏差値が50ぐらいだという時
次に必要なのは偏差値65にいくための応用力ですが,
この夏休み,なにをやろうとしますか?
予備校の夏期講習で数学の応用力養成講座をとる…ⓐ
参考書や問題集で標準問題や応用問題を解く…ⓑ
1学期の予備校や学校の教材を復習する…ⓒ
というのがすぐに思い浮かびそうですね.
確かにどれも応用力をつけるには有効なのですが,
どのやり方にもコツがあります.
ⓐⓑの場合,
あまりに自分の実力とかけ離れたレベルを選ぶのはやめてくださいね.
数学の実力というのは難しい問題をやったから上がるのではありません.
ⓐであれば教科書の基礎は身についている人を対象に,
基礎の応用の仕方と,考え方自体が基礎ではない発想を扱っている講座がベストです.
考え方自体が基礎ではないとは,図形と式の直線束の考えとか,定数分離の式変形とかです.
ⓑであればチャート式の重要問題の部分の徹底的な練習ですね.
いずれにしてもⓐⓑのときは
扱われた問題の意図をよく考えて,
必ず類題で練習するのがコツです.
ⓒは実は応用力の養成をするうえでとても役に立つのですが,
1学期の予備校の教材や,1学期に学校で使っていた問題集の復習をしようというと,
ほとんどの皆さんは問題をもう一度解き直して,正解が出たら次っ というやり方をします.
これは1学期の内容を定着させる効果はありますが
応用力の養成にはつながっていませんよね.
でも1学期の復習をしながら応用力を養成する方法があるんです.
それは山本の塾で実際に生徒の皆さんに毎年実践していて
とても効果があるのですが,
是非皆さんもやってみてください.
どうするかというと
1学期の問題を解いてみる➡自分なりの解答を作る①➡模範解答と比べる…②
たいていの人は答えがあっていれば終わりにするのですが,
模範解答と比べて模範解答の考え方をまず身につけようとすることです.
この②の作業をすることで,
1問を別解まで研究することになり
自分の発想力を広げることができます.
模範解答と比べる➡チャートなどで必ず類題を1題やる…③➡①の解法と②の解法で試す…④
③をすることで1学期の学習内容の応用力がつきます.
また④をやることで問題に応じてどちらの解法がいいかのセンスが身につきます.
山本の塾で,応用力の養成のために個別指導を受けてくれる人は
①に対して②の別解がいくつも出てきます.
そうすることで答えが一瞬に出てきたり,
問題の微妙な違いによって最も的確な解法を見抜けるようになります.
たとえば円と接線の問題があった時
皆さんの解法は
円と直線y=ax+bを連立して,接するから重解へ
という方法だったとします.
でもこの解法は円と接線の問題では普通選択してはいけない解法です.
(問題によってはこれが最善の時ももちろんあります)
だから模範解答などでは
円の接線の公式を利用する解法
が示されています.
でもこの解法も万能ではありません.問題によっては
点と直線の距離を使う解法
が楽なことが多いのです.
さらに山本なら
状況を図示して図形から考察する
という手も使います.
つまりこのように基礎知識をいろいろに使いこなすのが応用力養成の第一歩なのです.
ところが数学が苦手な人ほど
①の解法ができたことで安心したり
むしろ新しい方法を吸収せず①の解法にしがみつく人が多いのです.
皆さんも思い当たりませんか.
応用力養成で最初に意識しないといけないのは,
自分の知識だけで考える殻を打ち破ることです.
新しい知識をどん欲に吸収する姿勢が応用力を身につける最初の関門です.