かつて石炭産業で栄えた福岡県筑豊地区にて主要都市の1つである田川市、
市街地に所在する九州唯一の大手私鉄「西鉄」こと西日本鉄道、それに西鉄の完全子会社である西鉄バス筑豊の後藤寺バス停は
田川市に於けるバス交通の要となっていますが
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/15/yamako-daiken19960926/81/3f/j/o0607108015344290564.jpg?caw=800)
田川市を拠点に田川郡福智町と同じく糸田町を結んでいます。
後藤寺バス停から福岡県道95号を挟んで見える『ターミナル会館』と表示されたコンクリート製の大きな建物はかつての西鉄後藤寺バスセンター、
田川市が炭鉱都市として賑わっていた1959(昭和34)年に完成し、映画館『ターミナル会館』と同居していた文字通り西鉄バスのターミナルも著しい老朽化により
丁度7年前となる2016(平成28)年9月30日(金曜日)の営業を最後に閉鎖されましたが、所有者である某企業が解体費用を捻出出来ないまま現在に至っています。
そのような経緯により、現在の後藤寺バス停はただのバス停ながら地元からは引き続き「バスセンター」と呼ばれ続けています。
尚、後藤寺バスセンターは出入口をフェンスで囲まれているので侵入することは不可能ですよ。
まずは後藤寺バス停から「金田・方城線」のバスに乗り、田川郡糸田町の行政を担う糸田町役場を経由して「真岡(しんおか)」バス停まで向かいました。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/15/yamako-daiken19960926/8c/28/j/o0607108015344290577.jpg?caw=800)
我が国を代表する男性シンガーソングライター・井上陽水さんの故郷は田川郡糸田町、
その糸田町に所在する真岡バス停は「金田・方城線」の終点バス停の1つであり、周囲は集合住宅となっています。
集合住宅「真岡団地」は高齢者の比率が高く、バスを利用するお客様も殆どが「常連さん」、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/15/yamako-daiken19960926/de/0a/j/o1080060715344290580.jpg?caw=800)
そのため、「常連さん」の姿が見えない時はバス乗務員さんが心配していました。
「赤い手押し車のお客さん、最近(バスに)乗ってきませんが、どうかされたのですか?」
「あのお婆さんはね、つい最近だけど施設に入っちゃったよ…」
「黒い帽子を被った黒縁メガネのお客様はお元気ですか?」
「そのお爺さん、入退院の繰り返しで今は家にいるけど、元気が無くてね…」
我が国は高齢化率が20%を超えた超高齢化社会、
中でもお年寄りの方々の孤独死が深刻な問題となっています。
それだけにバス乗務員さんによる「声掛け」は孤独死防止に貢献していました。
実は「まだ先」があります。
バスはここでUターンし、後藤寺バス停、田川市の行政を担う田川市役所、田川市最大の医療機関である田川市立病院を経由して
田川郡福智町の「金田平原(かなだひらばる)団地」バス停が終点となります。
真岡バス停と違い、金田平原団地バス停の少し先には「待機所」がありまして、バス乗務員さんはここでしばしの休憩を取ります。
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/15/yamako-daiken19960926/05/75/j/o1080060715344290582.jpg?caw=800)
西鉄後藤寺営業所バス停へ「一旦」向かいます。
西鉄後藤寺営業所バス停は
*西日本鉄道㈱から管理を委託された「西日本鉄道㈱田川第二自動車営業所」
*西日本鉄道㈱の完全子会社である
「西鉄バス筑豊㈱田川支社」
その昔、田川地区の西鉄バスは路線が網の目のように存在しており、列車本数が少なかった国鉄は西鉄バスの相手ではありませんでした。
沿線住民の皆さんが利用する公共交通機関は決まって西鉄バス、
それ故に赤字の国鉄は次々と路線の廃止へ追い込まれます。
しかし、国鉄の分割民営化によりJRグループが誕生し、更には国鉄時代からの赤字路線を引き継いだ「へいちく」の開業によって状況が一変しました。
JRは「地域密着」をモットーに列車の増発と駅の増設を進めますが、「へいちく」に至ってはJRも驚くほどの積極的な運営に乗り出します。
その結果、西鉄バスを利用していた沿線住民の皆さんは定時性で勝る鉄道へシフトすることとなり、バスの利用者は減少の一途、
特に「へいちく」の沿線ではそれが顕著でした。
西鉄グループは2003(平成15)年の3月限りで田川地区に於いて全体の約3分の2に該当するバス路線を廃止、
その後も櫛の歯が抜けるように1路線、また1路線、と消え、辛くも生き残った路線も
沿線自治体からの補助金によって運転されています。
今回廃止となる「金田・方城線」も補助金の路線、
沿線自治体の1つである田川郡福智町は毎年550万円の補助金を捻出していましたが
利用者の減少やバス乗務員の成り手不足により、遂に賄えなくなってしまいました…。
福智町は2006(平成18)年の3月に田川郡の赤池町、金田町、方城町の3町が対等合併したことで発足した自治体ですが
「金田・方城線」の廃止により旧・金田町と旧・方城町から西鉄のバス路線が撤退することとなります…。
美容家でタレントのIKKOさんは福智町の方城地区、昔の田川郡方城町出身ですが、
10月からは西鉄バスで故郷へ帰ることが出来なくなってしまいます。
因みに福智町方城地区は鉄道自体が存在しません。
話を元に戻し、金田駅を出た路線バスは
系統番号が後藤寺方面からの「23番」から「22番」へと変わり
福智町の行政を担う福智町役場(旧・金田町役場)を「ループ運転」してから後藤寺方面へ戻ります。
最終的には西鉄後藤寺営業所バス停から後藤寺バス停までの間を金田駅、福智町役場経由で乗り通したわけですが
通常ならば170円の区間が何と990円!!
でも思い出多き路線だけに出費が痛いとは全く思いませんでした。
今回の「金田・方城線」の様なローカル路線は現場にて「市内線」と呼ばれ、かつては縦横無尽に路線を伸ばしていましたが
前述した「へいちく」の影響や沿線自治体の人口減少に伴い、田川エリアの「市内線」は2路線にまで減少、
10月からは遂に1路線のみとなります…。
ただ、田川エリアでは「市内線」に加え長距離路線も減少しており
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/16/yamako-daiken19960926/48/8e/j/o0607108015344307638.jpg?caw=800)
後を引き継いだ「市内線」である「後藤寺〜中谷線」も
2021(令和3)年の9月30日(木曜日)を以て運転終了、
後藤寺から筑豊地区最大の都市である飯塚市を経由して福岡空港を通り、九州最大の鉄道駅である博多駅までを乗換なしで結んでいた急行バスも
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/16/yamako-daiken19960926/f2/98/j/o1080060715344309410.jpg?caw=800)
こちらも2021(令和3)年の9月30日(木曜日)限りで運転終了、
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20230929/16/yamako-daiken19960926/e6/76/j/o0607108015344307650.jpg?caw=800)
快速バスにしろ急行バスにしろ、賑やかだった時代を知っているだけに寂しさもひとしおです。
2023(令和5)年の10月1日(日曜日)から田川エリアの西鉄バスは
後藤寺方面から飯塚を経由して九州最大の繁華街である福岡・天神を結び、西日本鉄道㈱田川第二自動車営業所が担当する
稼ぎ頭の「筑豊〜福岡」特急バス
それに西鉄バス筑豊㈱田川支社が担当し、後藤寺方面から田川郡川崎町を経て同・添田町へ向かう
唯一の「市内線」こと添田線
合計で2路線のみとなりますが、特急バスはともかく、「市内線」は1年でも長く走り続けて欲しいですね。
私は福岡県在住の「特定社労士」こと特定社会保険労務士です。
私は2012(平成24)年の11月から4年間に渡り
「合格基準が透明な社労士試験」
「受験生の努力が報われる社労士試験」
の実現を目指して日々奔走されていたtktk様の活動を誇りに思っております!!