イージー・ゴーイング 山川健一
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東北芸術工科大学

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2019-03-13 00:49:14

「私」物語化計画、3月のスクーリング&懇親会

テーマ:イージー・ゴーイング


作家と編集者、作品の読み方の違いを知る
作家:山川健一 ✕ 担当編集者
3月23日土曜夕方、新宿にて開催!

・編集者は応募作品をどう読んでいるのか?
・作家と編集者の作品の読み方の違いとは?

・タイトルの重要性
・新人賞応募原稿の表書きにつける「梗概」(こうがい)の付け方、テクニックとは?

■スクーリング日程
3月23日土曜
開場:16時15分
講義:16時半〜18時半
会場:新宿三丁目貸会議室
 SOBIZGATES
 東京都新宿区新宿5-11-2 SOBLD. 2階
 https://kaigi.kasegroup.co.jp/build/access/c0023870.php
 都営新宿線「新宿三丁目」駅より徒歩1分
 東京メトロ副都心線「新宿三丁目」駅より徒歩1分
 JR山手線「新宿」駅より徒歩5分
スクーリング参加費:6,000円(税込)(会員様は1,000円引き)

★スクーリング後に懇親会開催
19時〜21時に新宿三丁目近隣の飲食店にて懇親会開催
飲み放題・コース料理込み(和食系居酒屋となる見込み)
懇親会参加費:6,000円(税込)(会員様は1,000円引き)

■参加方法
お名前、ご連絡先(メアド/携帯電話番号)、参加人数、スクーリング/懇親会それぞれへの参加の有無を、etcetera@etcetc.jp あてにご連絡ください。返信をもって参加受け付けといたします。

・『「私」物語化計画』非会員の方もご参加いただけます
・スクーリング、懇親会、両方参加/どちらかのみの参加も可能
・スクーリングは当日の飛び込み参加も歓迎いたします
・懇親会は飲食店予約の都合上、当日不参加の場合キャンセル料がかかります


これやるの、毎月楽しみなんだよね。今の僕のいちばんの楽しみ。会員でない人もいらして下さい。お待ちしてます!

2019-02-11 02:25:51

東北芸術工科大学、最終講義の概要(2019年2月10日)

テーマ:イージー・ゴーイング
「私」を物語化するということ
 山川健一

 
今日は何かについてではなく、ぼく自身についてお話しします。
 
卒業生の懐かしい顔も並んでるね。来てくれてありがとう。皆さんに感謝しています。みんなに愛された8年間でした。
 
最初に驚いたのは、講義を聞いて何人もの女子学生が泣いていたことだよ。マジかよと思った。ヘンリー・ミラーとジューンの話をしたときのことだったと思う。こんなに純真な学生たちの前で講義しなければならないのか、ちゃんとやらないとなと肝に銘じた。
 
今日もそうだけれど、君たちは表情が豊かだよね。笑顔がとても良い。講義している僕の言葉が君達の胸の奥へ染み通っていく感じがよくわかる。芸術平和学でDJ風の講義をしたら、ロックスターみたいだと言ってくれたの男子学生もいたけどね(笑。
 
研究室にはいつも10人から20人もの学生がいて、地下鉄かよって感じ(笑。椅子が足りなくて床に座ってたもんね。あまりに増え過ぎたので1年生から4年生まで曜日を決めることにした。
 
ゼミに入る資格のない2年生が、プレゼミというものをやってくれと言ってきて、定期的に集まっていた。他学科の学生達も集まってきていました。
 
雑談していて、でも僕が文学の話を始めると、皆が話を中断してメモ帳やノートをスッと取り出した。ぼくに講評してもらうために原稿を手渡すその指が小刻みに震えている女子学生もいた。あの研究室で、何人もの学生が泣いた。
 
それだけ君たちが小説を書くことに関して、真剣だったと言うことだよ。可能な限り僕はそれに応えようとした。そういう日々だったね。
 
研究室で話すのは、もちろん文学の事だけではない。恋愛相談を一番たくさん受けた教員ランキングというものがあれば、ぼくは間違いなくベスト3には入るね。
 
大学教授の研究室に、普通学生が恋愛相談に行くかね、とは思ったけど、男子には「アンドレ・ジッドの『狭き門』を読みなさい。愛していると言いながらなぜ 彼女が去ったのかよくわかるよ」とアドバイスし、女子学生には「ヘルマン・ヘッセの『知と愛』を読みなさい。知を断念して愛欲と放浪の生活を送る男子の気持ちがわかるよ」と言って文庫本をプレゼントすることにしてた。
 
ご存知のように僕はいい加減な男で、およそ優れた大学教授とは言い難かった。小説と言う玩具で君達と一緒に本気で遊ぶガキ大将みたいなものだったよね。
 
関係の絶対性、覚えてるよな?
むしろ君達のお陰です。
8年間、ぼくが学生に愛されるヤマケンでいられたのは、君達のおかげだよ。
 
しかし僕は本当は、君達が知っている山川先生ではない。
 
なぜか?
 
それは、ぼくが小説家だからです。
 
胸の中に黒曜石の結晶みたいなものがある。そいつは外側からは見えないけれども、鉱物と同じような確かさでそこにある。
 
一つ小説を書くことは、一つ罪を犯すことだとぼくは思っています。真剣に小説を書くと、大切な誰かを傷つけることになる。しかしそんなことでひるむわけにはいかない。この作品を仕上げることで文学シーンを一歩前に進めるのだ、と自分に言いきかせてきた。
 
芭蕉の「野ざらし紀行」の講義をしたのを覚えてますか? 富士川の川辺で出会った3歳の子供を芭蕉は見殺しにした。
 
「富士川のほとりを行に、三つ計なる捨子の、哀気に泣有。この川の早瀬にかけて、うき世の波をしのぐにたへず、露計の命待間と捨て置けむ。」(野ざらし紀行)。
 
この非情さこそが、俳諧芸術の創造を可能にしたわけだよね。芭蕉はひどい男だと僕は今でも思うが、僕らが小説を書く時にも事情は同じなんだよね。ビビってはいけない。前に進むことだけが大切なのです。
 
僕は美しい湖で泳ぐ白鳥たちの中の一羽の黒鳥であり、豊かな草原に群れる白い羊たちの中の黒い羊だった。
 
高校生の頃、僕の胸の中には空っぽのプールがあった。とても強い衝動、欲望の存在があったからだよね。その衝動とは、海面から空までのめくるめく距離を一挙に浮上したい、と言うようなものです。当時の日記に、僕はこう書いた。
 
「もっとも深く夢見たものが、最も深く罰せられるのだ。それが芸術の掟だった」
 
目の前に花があったら、それを一輪挿しに飾って鑑賞するのではなく、握り潰したいと強く思った。なぜそんな衝動に駆られるのか、自分でも理解不能だった。そんな自分の中の空っぽのプールを豊かな水で一気に満たしてくれたのが、ロックでした。そしてランボーでありバタイユであり、小林秀雄であり中原中也だっ た。
 
ドストエフスキーを読んだときには、これでもう俺には恐れるものは何もないのだと思えた。
 
あなたにも、そういうことはありませんか?
そう感じる時間、あなたは小説家なのです。
 
教員仲間の野上勇人に「山川さんはナラトロジーを講義しているけれども、そんなものを前提に小説を書いたことがあるのか?」と聞かれたことがあります。彼は 20歳も年下のくせに、僕に対する遠慮と言うものが一切ないんだよね。まぁ、それは学生の君達にしても同じだが(笑。
 
ウラジミール・プロップやジョセフ・キャンベル位は読んだ事はあったが、僕が物語論について学ぶようになったのは大学の教員をやることを決めた後のことです。したがって、物語論に沿って書いた小説は「人生の約束」とか、それ以降の数本でしかない。
 
しかし物語論を調べていけばいくほど、これはまさに俺自身のことについて構築されたロジックみたいだなと思った。冒頭に欠落があり、後半に隠された父の発見がある。それはあたかも僕の人生そのものでした。いわば、僕の肉体を流れる血液のようにナラトロジーはあった
 
ナラトロジーに沿って書いたことなどないよ。しかし、ナラトロジーはむしろぼくの小説家としての肉体を血液のように流れている。
 
野上、あの時に何と答えたのか覚えていないが、これが正確な回答だよ。
 
今日からぼくは小説家に戻ります。
 
小説家は常に3つのことを考えている。教えようか?
1つ目はどの本を文庫にしようか、と言うことです。文庫の良いところは、働かないで印税が入ると言うことだね。作家の経済生活上、これはとても重要な問題なんだよね(笑。
 
2つ目は、次のエッセイ集のテーマは何にしようかと言うことです。小説は500枚書いても、全く使えないことがある。しかしエッセイは小説よりはるかにシュアだからね。
 
そして3つ目が、長編小説の事だ。
 
今年の夏、楽天の三木谷浩史社長の評伝「問題児」を幻冬舎で文庫にしてもらいます。エッセイは「般若心経ロック版」というのを書くつもりです。
 
そして長編小説は「黒い翼と少年ジョバンニ」という600枚の書き下ろしを書くことにした。クライムノベルです。
 
以 前書いた「安息の地」は両親が息子を殺害すると言う事件を取材して書いた。「黒い翼」は、息子が両親を殺害した罪に問われ死刑判決を受け、今も死刑に怯え ながら拘置所にいる──という事件を素材に書くつもりなんだよね。実はこの事件の主人公は、僕の高校時代の友人なんだよ。僕が彼であってもおかしくはな かった、なのに自分はこうして学生たちと楽しくやっていて、彼はいつ死刑が執行されるかと怯えながら1人で眠らなければいけない。そういう負い目が、ずっ と僕にはあったのかもしれない。
 
なぜ大変な思いをして、長編小説何か書くのか。それは書きたいという欲望を、抑えることが出来ないからです。
 
しかしともすると、文学と言う想像もできない深い淵に飲み込まれてしまうかもしれない。そんな時は、君たちが僕を引きずり上げて欲しい。今の気楽なヤマケンの場所にまで、引っ張り上げてね(笑。頼むよ!
 
もう既に僕が「私」物語化計画という、作家養成を目的にしたオンラインサロンをスタートしたのを知っている人も多いだろう。Facebookを使ったインタラクティブな「自分探しの旅」と「小説家養成」のための場所です。
 
小説って、実は1人では書けないんだよねね。あの孤独な作業に最後まで1人で挑むなんて無謀すぎる。文学の話ができる「場」が必要で、それが物語化計画です。
 
小説を書きながら、これからは物語化計画に打ち込むつもりです。ライフワークだと思っている。文芸学科の卒業生がもう何人も参加してくれています。皆さん も、ぜひとも参加してください。山形のメンバーが20人を超えたら、僕がここにきてスクーリングもできるからさ。その時に20歳を超えた人は、いよいよ念 願のお酒を一緒に飲めるよ。
 
小さな物語の集積が「私」を作るんだよね。小説と言うものの工学的な側面と、芸術的な側面の両方を理解することで、「私」と言う物語の構造がクリアにわかるようになる。
 
もともと物語は人を癒す力を持っているけれども、ロジックを学べば、それが何よりも有効なセルフヒーリングになる。小説とはその結果生まれるものなんだと僕は思います。
 
最後に「カラマーゾフの兄弟」の話をしよう。
 
あの長い小説にはエピローグがあり、その最後は、亡くなった子供をその友達や、アリョーシャというカラマーゾフ三兄弟の末っ子が埋葬するシーンです。
 
亡くなったイリューシャというその子供の思い出の場所である大きな石のもとに子供達を集めて、アリョーシャはこういう意味のことを言います。
 
「ぼくらは悪い人間になってはいけない。あの子のことを、ぼくらお互いのことを、ずっと覚えていましょう。そうすればぼくらは善良であり、正直でありつづけることができます」と。
 
アリョーシャの言葉を聞いている子供達の目に、涙が溢れてくる。彼はこう続ける。
 
「何か良いことや正しいことをすれば、人生は本当に素晴らしいのです」
 
今日は僕の最終講義にこんなにもたくさんの皆さんが足を運んでくれて、感謝しています。これが今生の別れでは無いのだから、泣くなよ。また会えるから。
 
アリョーシャの言葉を、これからの人生のポイントで思い出してみてほしい。
 
僕らはお互いのことを、ずっと覚えていよう。東北芸術工科大学で共に学んだ日々のことを、忘れないでいよう。そうすれば僕らは善良であり、正直でありつづけることができる。
 
そして正しいことをしよう。そうすれば、人生は本当に素晴らしい。僕は今65歳で、人生とは本当にすばらしいと心から思っている。
 
もう一度、長い間、どうもありがとう。
これで最終講義を終わります。
2019-01-18 00:04:10

「私」物語化計画』2019年第1回スクーリング開催

テーマ:イージー・ゴーイング
『「私」物語化計画』2019年第1回スクーリング開催
「欲望が物語を創る」〜「コーチングと表現することの意義」

ゲスト:思いこみクリアリングカウンセラー・コーチングのカリスマ、谷口祥子さん
http://bee-hive.biz/profile/

日時:2019年1月26日土曜
   開場16時15分 講義16時半〜18時半
会場:SOBIZGATES D会議室
   JR新宿駅、地下鉄新宿三丁目駅より徒歩数分

開講時のキックオフパーティーに続き、第一回となるスクーリングを開催いたします。

第一部:山川健一による講義に続き、コーチングのカリスマであり『「私」物語化計画』の受講生でもある谷口祥子さんをゲストにお招きし、対談形式での第二部も開催いたします。より深く学ぶための質疑応答の時間も設けております。

また、19時半よりJR新宿駅〜新宿三丁目周辺の飲食店にて懇親会も開催いたします。山川健一とゲスト谷口祥子さんはもちろん、会員同士の交流の場としてお楽しみください。

スクーリング・懇親会ともに、会員外の方のご参加も受け付けます。奮ってご参加ください!

■会場
SOBIZGATES D会議室
都営新宿線「新宿三丁目」駅C7出口から徒歩1分
JR山手線新宿駅より徒歩5分
https://kaigi.kasegroup.co.jp/build/access/c0023870.php

■タイムスケジュール
16時15分 開場 
16時半〜  第一部 「欲望が物語を創る」山川健一
(休憩)
17時半〜  第二部 「コーチングと表現することの意義」谷口祥子✕山川健一
18時15分〜 質疑応答 
18時45分 閉会 
19時半〜  懇親会

■参加費
スクーリング受講料(一部・二部通して両方にご参加いただけます)
・『「私」物語化計画』会員価格:5,000円(税込)
・非会員:6,000円(税込)

懇親会参加費
・スクーリング受講者:5,000円(税込)
・懇親会のみに参加の方:6,000円(税込)

■申し込み方法
etcetera@etcetc.jpあてに、お名前、スクーリング/懇親会それぞれの参加希望内容をご連絡ください(ご返信をお送りしますので必ずご確認ください)。
2018-11-18 14:39:37

11月24の土曜日に、渋谷のレノンでパーティをやります

テーマ:イージー・ゴーイング


1124の土曜日に、渋谷のレノンでパーティをやります。オンラインサロンを始めたんだが、そのキックオフのパーティです。


作家養成のためとサロンなんだけど、別に小説なんか書かなくても勉強になります。興味がある方はとりあえず基礎コースに入会して下さい。月額1240円ぽっきりです。


「自分探しの旅」「プロ作家デビュー」を目的としたオンラインサロン"「私」物語化計画"の開講を記念してのKICK OFF PARTY


1124日土曜19時から。

渋谷のロックバー、レノン

https://www.google.co.jp/amp/s/amp.retty.me/r/100000066940/


会員・学生:4,000円/非会員:5,000


お待ちしております。

2018-11-16 02:12:33

「私」物語化計画"の参加申し込みの受け付け開始!

テーマ:イージー・ゴーイング

"「私」物語化計画"の参加申し込みの受け付けを、たった今スタートしました。


それから、1124日土曜19時から、開講記念KICK OFF PARTYを渋谷のロックバー、レノンでやります。非会員の方でもOKなので、ご友人もお誘い合わせのうえご参加ください。



「やっと募集開始!サロンとパーティーの情報はここ。


『「私」物語化計画』Webサイト

https://yamakawa.etcetc.jp


「オンラインサロン」のお知らせはここ。

https://yamakawa.etcetc.jp/onlinesalon


11/24のパーティ募集受け付け開始」はここ。パーティ申し込みフォームを用意しましたが、もちろん申し込みなしでもOKです。

https://yamakawa.etcetc.jp/kickoffparty


サロンとパーティーの参加申し込みフォームへのリンクです。(サロンやパーティーの内容、詳細をすっとばして直接フォームへ行きたい人向けです)

https://yamakawa.etcetc.jp/nov16th


とりあえず、乱暴な告知ですみません。

たった今出来たばかりで、早くお知らせしたいと思いながら、ぼくは眠いので

近日中に、エッセイスタイルで、このサロンで何をやろうとしているのか、小説家志望でなくても参加出来るのか、申し込みはどうするのか、もっとわかりやすく説明します。

2018-10-25 01:05:05

カムパネルラと孤独なジョバンニ

テーマ:イージー・ゴーイング

新幹線が米沢を過ぎ、ぼくは宮沢賢治の『銀河鉄道の夜』について考えている。孤独な少年ジョバンニが、友人カムパネルラと銀河鉄道の旅をする童話だが、これはもちろん死の国へ向かう鉄道ということだろう。


作中にクルミの化石を拾うエピソードがあるが、東北芸術工科大学の宿舎の近くの川辺にもクルミがあって秋には実が落ちる。クルミの実を見る度にこの童話を思い出す。


天上と言われるサウザンクロス(南十字)で、大半の乗客たちは降りてしまうが、ジョバンニとカムパネルラは残される。二人は「ほんとうのみんなのさいわい」のために共に歩もうと誓うのだが、車窓に現れた石炭袋見て恐怖に襲われる。ジョバンニはカムパネルラをはげますのだが、カムパネルラは「あすこにいるの僕のお母さんだよ」と言い、いつの間にかいなくなってしまうのだ。


一人丘の上で目覚めたジョバンニは町へ向かうが、「こどもが水へ落ちた」ことを知らされる。川に落ちたザネリを救ったカムパネルラが溺れて行方不明になったのだった。


ぼくらは普通ジョバンニの視点でこの作品を読むだろう。行方不明のカムパネルラ、失われたカムパネルラ、死の国へ旅立ってしまったカムパネルラを探し求める。


だが、ぼくはこの頃思うのだ。自分の方がカムパネルラなのかもしれない、と。


誰か大切な人にとって、自分の方が行方不明になってしまっているのかもしれない。銀河鉄道の車窓を見ているその大切なジョバンニの背中を探し出し、繋ぎ止めなければならないのではないだろうか。東北の冷えた空気は、そんなことを考えさせる。福島駅に着いたよ。 


(9月15日のツイッターより転載)

2018-10-17 09:36:56

"「私」物語化計画"のサイトオープンしました

テーマ:イージー・ゴーイング


11月から"「私」物語化計画"という、作家養成を目的としたオンラインサロンをスタートします。Facebookグループを活用し、ぼくの講義を中心にさまざまな課題や教材に取り組み、各地でのセミナー、交流会も開催します。


ぼくだけではなく、プロの文芸編集者達がサポートします。まず「私」の構造を明らかにするとこから始めるので、作家志望の方ばかりではなく、セルフヒーリングの役にも立つはずです。


サイトオープンしました。

https://yamakawa.etcetc.jp


今なら「基礎コース」は月額1240円。支払い方法はクレジットカードと銀行振り込み。コンビニでも払えるよう、調整中です。


みなさんの参加を待ってます。


山川健一


"「私」物語化計画"のためのプロモーションムービーです。2分半。ぼくの仕事部屋で今日(10月18日)撮影しました。BGMはぼくが作詞・作曲・Vocalを担当した"Walkin'"。久しぶりに聴いたけど、我ながらいい楽曲だよなぁ‥といつもながらの自画自賛。


https://youtu.be/MfP0VLMovVQ


2018-09-25 16:07:45

東北芸術工科大学を退職します。

テーマ:イージー・ゴーイング

今日学生達に報告したのですが、今期限り、来年の3月をもって東北芸術工科大学を退職します。理由はシンプルで、定年だからです。ゼミや2年生のケアが中途半端だったり、オープンキャンパス等で会った高校生達の中にはぼくに会えることを楽しみにしている人達もいるだろうことから、出来ればもう1年やりたかったのですが、定年を延長する方法がありませんでた。ま、大学の規則だからね。


怒ったり泣いたりしている学生もいましたが、ごめん。皆さんには感謝しています。


「文芸学科構想」という書類を書き文科省と交渉を重ねたのが2010年。何とか開講にこぎ着けられると思ったら東日本大震災に見舞われ、ぼくらの最初の仕事は、入学予定者の安否確認でした。昨日まで高校生だった新入生は家屋の損壊などの物理的な被害だけではなく、肉親や友人を失った精神面でのダメージも大きく、小説の構造を講義しながらぼくが感じていたのは「発語の不可能性」ということでした。準備していた講義メモが全部吹っ飛んだのでした。ちなみに、千葉県の湾岸にあるぼくの家も全壊でした。


あれから8年。長い年月だけれども、一瞬の夢ような時間だった気もしています。もちろん楽しいことばかりではありませんでしたが、「教授」「学科長」という慣れない仕事をぼくは概ね楽しむことができました。文芸学科の学生達、教員仲間達、保護者の皆さんや職員の方々に、心より感謝します。


大学関係ばかりではなく、8年間ぼくを支えてくれた人達がいます。苦しい想いは、むしろ大学の外側にいるそんな友人達によって和らぎました。ありがとうございました。


ここでぼくが書くことではないかもしれませんが、同僚の川西蘭教授も今期限りで退職されることになりました。いろいろ話し合ったのですが「じゃあ一緒に東京に帰ろうか。小説を書こう。俺達は小説家だもんな」ということになりました。文芸学科の教員で小説家はぼくと川西さんの2名だけなのですが、2019年4月からはまったく新しい学科がスタートするはずです。


ぼくは東京で作家育成を目的としたオンラインサロン、"「私」物語化計画" をスタートする予定です。「スクーリングと言うかオフ会もやるからさ。川西さんも来てよ」「いいよ」というような話をしています。準備段階の2010年からなら9年間、必死に力を合わせたり大喧嘩したり、ぼくらはずっと一緒だった。川西さん、長期間大変なことに付き合わせてごめん、どうもありがとう! 当たり前の話だけど、川西蘭の存在がなければ文芸学科の存在はなかった。


文芸学科の顧問は幻冬舎の見城徹社長で、ま、ぼくの兄貴と言うか後見人みたいな方なのですが、ぼくの退職と同時に顧問職から解放されることになります。お会いしたり電話したり、実質的な顧問として実は度々アドバイスを頂いてました。見城さん、ありがとうございました。帰京しますので今度は東京でよろしくお願いします。


俳優の佐藤浩市さんには文芸学科の客員教授に就任していただき、その特別講義は非常に人気が高かったのですが、やはり来年の3月までということにさせていただきました。ほんと、無理なお願いを快く引き受けて下さり、感謝しています。


文芸学科の教員だけではなく、神宮外苑に京都造形芸術大学と共通の出版局「藝術学舎出版」を設立し、ぼくは設立時から編集長をつとめてきましたが、こちらは継続します。筆者やデザイナーの皆さん、何も変わりませんので引き続きよろしくお願いします。


ぼくの研究室には授業が終わると学生達が押しかけ、多い時には20人ぐらい来るので、今は曜日によって学年を指定しています。「火曜日は1年生、水曜日の17時以降は2年生な」という具合です。3月までは今まで通り研究室は解放するので、また来てもいいよ。ただし、もう怒ったり泣いたりしちゃダメだよ。FGOだけではなく、むしろぼくの方が皆んなから教わることが多かった気がする。君達は柔らかく、澄んでいて、優しかった。それはぼくが既に失った気質だよ。ぼくが去った後も、今の君達のままでいて欲しい。


しかし、セックス・ドラッグ&ロックンロールのこのぼくが、定年まで教員やるとは夢にも思わなかった。それが本音かな。人生には稀に、思いがけない素晴らしいことが起こるものだ。時々男子学生がコンサートを見に行って楽屋で会った外部の著名なロック・ミュージシャンや、ストーンズファンの自分のお父さんなどに「ヤマケンは昔はほんとに悪い奴だったんだよ。大学教授? 丸くなったもんだよな」などと言われたと報告に来ます。もちろん、ぼくは決して「悪い奴」ではなかったはずですが、退職したらロックライクな懐かしい場所に帰るつもりです。


もう一度。皆さん、感謝します。

ありがとうございました。


KEEP ON ROLLNG !


山川健一

2018-09-14 20:38:46

早稲田大学エクステンションセンターで、今年もロックの講義します。

テーマ:イージー・ゴーイング

今年も早稲田大学エクステンションセンター、八丁堀校でロックを巡る講義を行います。昨年とは別の内容の講義なので、去年いらした皆さんも是非ともご参加ください!

昨年はたしか10人ぐらいの小規模のメンバーだったので、みんなで打ち上げにビールを飲みに行ったりして楽しかった。今年も多分そんなに大人数にはならないと思うので、できれば打ち上げやりましょう。そうそう、去年は最初の授業の時に皆さんに自己紹介してもらったら、それが不評だったみたいなので、今年はやりません(笑)。

「私」ロック化計画―「ブリティッシュ・ロックへの旅」編
https://www.wuext.waseda.jp/course/detail/43456/

 

講義概要
ロックという音楽の輪郭を、理念的な面、歴史的な面、技術的な面、それぞれからつかむことを目的とする。それには「私」という存在を明確化することが不可避である。「ロックしようぜ」という言説は「私自身であり続けよう」という意味なのである。他の文化の流れと緊密に結びついたロックという表現の構造と力学について知り、それらの「知」を自らの日々に生かすことができるようになる。「ブリティッシュ・ロックへの旅」編では特に、1960年代末から70年代のロンドン──スウィンギング・ロンドンに光を当てる。

 

1     09/28 ビートルズ―ジョンのアートカレッジの窓の向こうは、ポールの学校だった。エリック・クラプトン―小雨の降るなか、僕はクラプトンの母、パトリシアに電話をかけた。

2     10/05 ザ・フー―ザ・フーを巡る旅で、朽ちかけた桟橋に辿りついた。ザ・フェイセズ―真っ赤な2階建てのバスに、ロニー・レインのポスターを貼ってお別れした。

3     10/12 ローリング・ストーンズ―ミックとキースが出会ったダートフォードの駅には、明るい陽光が降りそそいでいた。ブライアン・ジョーンズ―『くまの プーさん』のA・A・ ミルンが住んでいた家のプールで、ブライアンは逝った。

4     10/19 ピンク・フロイド―ぼくらはくる年もくる年も、同じ金魚鉢の中を彷徨う、失われたふたつの魂なのさ。デビッド・ボウイ―レガスタート文書コピー店でアルバイトをしていたボウイは、よくOL達に煙草をせびった。

 

 

金曜日 
19:00〜20:30
日程    全4回 ・09月28日 〜 10月19日
(09/28, 10/05, 10/12, 10/19 )

 

 

会員価格受講料  ¥11,664
ビジター価格受講料  ¥13,413

申し込みページはこちらです。

 

※早稲田大学エクステンションセンターは“Extension”(=拡張、開放)の意味するとおり、早稲田大学の研究・教育機能を広く社会に開放するための機関です。誰でも参加できます。

 

 

 

 

 

2018-09-10 23:57:08

国破れて山河あり

テーマ:イージー・ゴーイング

3.11以降、さまざまな事がドラスティックに変わってしまった。原発事故が今も継続しているのだという事実が、暗く低く重たい空のようにぼくらの頭上を圧している。それがぼくら全員のベースなのだ。


経済状況は悪化している。アベノミクスの成果が上がっているといくら政府に言われようと、学生達の就活支援をする教員の肌感覚として、先行きの見えない不安を多くの人々が抱えている。なんとか職にありついた卒業生が、職場でハラスメントを受け死んでしまたいと何人も連絡してくる。


若い人達ばかりではなく、定年を控える年代層だって、事実上破綻している年金制度を目の当たりにして、病気になったらアウトだよなと思っている(つまり、それがぼく自身である)。老齢や病を抱えた人達は、息も絶え絶えだろう。


未来が明るいと思えないから、非婚率が上昇し少子化傾向に歯止めがかからない。だが単身で生きるのも、それはそれで不安を抱えることになっているのだろうと思う。結婚は1人では出来ないところが厄介だ。


人間は皆、壊れ物(YES)として生きている。傷を負っているという意味だ。その傷は、じつは1人では癒せない。だが、この不可解な「私」というものを理解してくれる誰かは、なかなか見つからない。ぼくにしたってそうだ。


学生達の前では先生面をして、何の悩みもない大人のフリをして来たが、とんでもない。苦しいことばかりだ。そこへ、追い討ちをかけるように台風や地震などの災害が襲ってくる。一つの災害を復興する前に、次の災害がやってくる。ボランティアに頼るのではもう無理だ。


今なんとかしないと、決してオーバーではなく、国破れて山河ありということになりかねない。ぼくらに出来ることは、それぞれが生活の基盤をしっかりさせること、そのために誰かと助け合うことだ。友情や愛情や誰かを想う気持ちまでが荒廃してしまったとは思いたくないからね。

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