屋根勾配と勾配伸び率 | 三州瓦メーカー山平の瓦ブログ

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瓦の製造メーカー (株)山平 社長のブログです。
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ための一つの手段としてブログを始めます。


今日は少し真面目な記事です
っていつもマジメじゃないんかい!ってそんなことないですよ!
いつも全力投球です(笑)

屋根に角度がついていますが、〇寸勾配ってなんだろう?
って思われてる方がいるかと思うので、ちょっと記事にしてみます。
でもいい画像がなかったので、かわらぶきの本から撮影。
photo:01
上図のように10横にいった際に上にいくつ上がったか?
10M横に行った際に何Mの高さになるか?というのが勾配です。
例えば4寸勾配は、10M水平方向に進んだ際に4Mの高さになる角度の屋根です。
瓦ですと、基本は4寸勾配からとなります。
3寸勾配から対応の瓦も多少あります。
山平でいうとAN-3(エイエヌスリー)とプラス1防災が対応商品です。
勾配が緩くなればなるほど、雨と風で水が登ってしまうことがあるため、
防水性の高い瓦が必要となります。

しかし、屋根勾配にも注意が必要ですが、6寸勾配以上の急勾配になってくると
屋根の上をまともに歩けませんので、屋根足場という物が必要になります。

ジャングルジム状態で、この足場を伝って作業をしなくてはいけません。
っということで、足場代や、手間代がかかります。
僕も何度も屋根足場の現場に行ったことはありますが、かなり大変です。
確かに、勾配がキツイとカッコイイんですけどね。
あとは、完成後に何かあった際に足場のない状態で屋根に上がることはできないので
メンテナンス等は大変だと思います。。。


photo:02
勾配伸び率というのがあるのですが、これは、平面上の寸法に対して、
角度がつくために長さが角度分だけ伸びるんですねぇ。
っということで、それを計算するために、表があったりします。

まぁパソコンで見積もりをする場合には一瞬で計算してくれますが、
手で計算する際には、平面の寸法に4寸勾配だから1.077を掛けて・・・
っと計算していかなければ、面積も枚数も計算できないんです。
さらに寄棟の場合には、隅棟伸び率というのもありまして・・・・
これを掛けないと、M数が出ないため、棟瓦の本数が計算できない訳です。
瓦屋も数学的な知識が必要なんですよ!

っと難しいことを書いたんですが、最後は鬼瓦の写真で締めたいと思います(笑)


photo:03
鬼師さんの工房に行った際に、存在感たっぷりだった、手作りの鬼瓦です。
カッコイイ!!!


BY 理系出身なので、計算は割と得意な専務