そろそろ、しつこいかな……と思いつ
つ、途中でやめるのもアレなので、前
回の「アクリル製マウントベース」に
続いて、ツィーターの話をします。
と、その前に、お陰さまで第1ロット
の10セットを昨日完売することがで
きたNDロードスター・スピーカーシ
ステムですが、ありがたいことに次回
製作分の予約をすでに2セットいただ
いております。
さっそく週明けに次回分の部品を職人
さんたちに発注しようと思いますが、
小さな規模でシコシコやっております
ので、あまり大量に部品を抱え込むわ
けにもいかず、次も10セットくらい
かなと思っています。
ということは、第2ロットは残り8セ
ットということになります。お届けは、
4月中旬以降先約順になると思います。
5月にはオアシス、軽井沢と大きなミ
ーティングが続きます。ミーティング
に間に合わせたいとお思いの方は、ど
うか早めにお申し込みください。若干
価格が高くなりますが、クレジットカ
ードも使えます。お使いのカードによ
りますが、カード会社による分割払い
も可能です。
さて、ツィーターの話を始めます。
【デイトンオーディオ製
ND16FA-6 ツィーター】
NDロードスター・スピーカーシステ
ムの主要構成部品のなかで、もっとも
リーズナブルな部品が、ツィーターで
す。1セット=2500円ほどという
価格は、一服の清涼剤とでも申しまし
ょうか、無性にホッとするわけです。
NAロードスター・スピーカーシステ
ムにも使っているこのツィーターを選
ぶにあたって。実は10種類くらいし
か聴き比べをしていません。
理由は2つあります。
まずもちろん、わたしがツィーターに
望む雰囲気の音がするからです。
そもそもツィーターの役目とは、なん
でしょう。メインユニットでカバーし
きれない高音域を再生するため。当然
そうです、と言いたいところですが、
実はカーオーディの場合は少し事情が
違うと考えています。
ホームオーディオの場合は、部屋の広
さにもよりますが、恐らくスピーカー
セットから少なくとも3メートル位は
離れた場所で音楽を聴いているんじゃ
ないかと思います。音には、高音にな
るほど遠くまで届きにくい特性があり
ます。スピーカーセットの直近ではち
ょうどいいバランスで鳴っているツィ
ーターとメインユニットも、3メート
ル(あるいは、それ以上)の距離を伝
わってくる間に高音がどんどん減衰し
てしまいます。そこで、大きな音量で
鳴らしても破綻しない、ゆとりのある
ツィーターが必要になるわけです。
コンサートのPAスピーカーの前に立
つと、突き刺さるような音に思わず耳
を塞いでしまう感じ、イメージできる
と思います。同じ理由です。
ところがカーオーディオの場合は。す
べてのスピーカーユニットに手が届き
そうな距離で音楽を聞くことになりま
す。NDロードスターの場合だと、運
転席側のツィーターとの距離は70セ
ンチくらいでしょうか。3メートルも
離れると、もはやクルマの外です。も
とより、メインユニットよりもツィー
ターの方がずっと近くで鳴っています。
ですから、カーオーディオのツィータ
ーに、桁外れのパワフルさはいらない
というのがわたしの考え方です。
わたしがカーオーディオのツィーター
に求めるのは、耳当たりのいい滑らか
さです。ツンツン・キンキンする高音
は、聴き疲ればかりひどくて、思わず
ボリュームを下げたくなってしまいま
す。
そして、わたしの音作りの好みは、メ
インユニットでツィーターがいらない
くらいのしっかりした音を作って、ツ
ィーターは必要最小限のレベルでそれ
を補完するくらいのバランスです。N
Dロードスター・スピーカーシステム
でも、そのような音作りをしました。
そして、デイトンオーディオ製のこの
ツィーターは、まさにそれにふさわし
い音量と、メインユニットとのバラン
スさえきちんととってやれば、1メー
トルに満たない距離で鳴らしても耳障
りではない音質で音楽を再生してくれ
ます。
それでも、時おり耳を刺激するざらつ
きを感じることがあったので、小さな
容量のコンデンサーでそのあたりをう
まく調整しています。
もう1つは、インテリアに穴を開けた
り、ダッシュボードの上に両面テープ
で貼り付けなければ取り付けられない
ということがない小ささです。
クルマは、ロードスターに限らず、長
く乗ろうと思うのであれば、勢いで切
ったり貼ったりしない方がいいと思い
ます。ダッシュボードに貼った両面テ
ープの糊痕も、あとできっと後悔する
ことになります。
見た目は完全に純正のまま、音だけが
とんでもなく素晴らしい。そんな雰囲
気を実現することは、すべてのスピー
カーシステムに共通した狙いです。
純正のツィーターを取り外した同じ位
置にぴったり留められるように、固定
用のCリングを作りました。強度と音
への余計な色付けがないように、なん
とCリングもCFRP(ドライカーボ
ン)で作ってしまいました。ツィータ
ーを抑える面には、薄いウレタンフォ
ームを貼って、ツィーターの筐体とC
リングの合わせ面でノイズが発生しな
いようにもしておきました。
BOSEを含む標準のオーディオにポ
ン付けできるように、ネットワーク回
路を組み込んだハーネスも作りました。
このハーネスの設定は、メインユニッ
トのマウントベースを木製からアクリ
ル製に変更したときに、再度設定数値
を見直しています。実はNDロードス
ター・スピーカーシステムで最後に仕
様変更を加えたのは、ツィーターのネ
ットワークハーネスです。
メインユニットのマウントボードをア
クリルに変更(経緯は、前回紹介しま
した) → メインユニット用ネット
ワークハーネスを追加 → ツィータ
ー用ネットワークハーネスの設定値を
変更して、最終バランスを取った。
というのが、開発の最後の最後の出来
事です。
そして、将来的にDSP(デジタル・
シグナル・プロセッサー)などを使っ
て、もっと本格的に自分好みの音づく
りをしてみたくなったときのために、
メインユニット、ツィーター共に、ネ
ットワークハーネスは取り外せるよう
に作っています。
何年、何十年乗るかわからない愛車で
すからね。スピーカーシステムも、き
っと将来あるかもしれない色々なこと
に対応できるように作っておかなきゃ
と考えた、ということです。
次回、「改・BOSEサブウーファー
(仮称)」についての話が、たぶん最
終回になると思います。
次回製作分の予約は、↓からどうぞ。
【NDロードスタースピーカーシステム】
山口宗久(YAMAGUCHI-MUNEHISA.COM)
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