人間の行動を簡略化して図式的に説明すれば、
外界からの情報を受け止める感覚器官と、外界に働きかける行動器官があり、
その感覚器官と行動器官の間には心があって、行動に指針を与え制御しています。
つまり、心では何をするかを決め、行動器官で行動し、行動しながら感覚器官で情報を受け止め、
また心でどう行動するかを決定します。それを繰り返しながら行動しています。
しかし、それだけでは自分一人の世界でしかありません。
そこに言葉が加わることによって、人間は他人との繋がりが生まれ、社会を作ることができます。
自分の心で判断できないときには、例えば「明日の天気予報は晴れでしたか」などと、誰か(他人)に聞きます。
自分の心に代わって誰かが判断をしてくれます。
自分の行動器官で行動できないときは、例えば「お風呂にお湯を張っておいて」などと、
夕食の支度で忙しい妻が言います。
命令を受けた私が、妻に代わってお風呂にお湯を張る行動をします。
このようにして、言葉を使うことによって、本来自分がすることを他人に代わってもらえます。
言葉を使うことで、本来自分がしなければならない目的が、自分を離れて、
人々の間を移動してゆきます。
毎日毎日人々は、言葉を使ってコミュニケーションしています。
ある人は、商品を仕入れるため電話で話し、ある人は、恋人にプロポーズするためメールします。
またある人は、航空機の安全を守るために、言葉を使って管制します。
そしてマスコミは世界の出来事を言葉で報道し、国は国民の権利・義務を言葉で制定します。
このようにして、自分を離れた目的は世界を駆け巡るのです。
この記事は2005.11.25.に書いた記事ですが、若干訂正して再投稿したものです。





