『筑紫君薩夜麻』の本字の論を答ふる
『筑紫君薩夜麻』
『君(きみ)』は「吾君(わがきみ)」、畢竟「王」「殿」等ゝ君主の義也。
『薩(さち)』は「帥(そち)」「率(そつ)」の同物異字であり、槪して都督の義と知るべし。
『夜麻』は邪馬臺國の邪馬の同物異字である。邪馬は「JAMA」の義と知るべし。JAMAなる名稱は歐洲亞洲諸國に其黨類多きを以て見られ、此發音をyama、yamha、yhama、或はjama、jamha、jhamaと云ふ。古印度に於けるジヤマ(जामा)を其語原となす。ジヤマ(जामा)の義は「おほき」「ひろし」と云ふ。臺は「物見櫓」「塔」又は「政所」「政廳」の義也。
故に邪馬臺國は『大塔國』『大政所國』と解釋すべし。
『筑紫君薩夜麻』は『筑紫王帥邪馬』を以て本字となし、
大意は『筑紫國王 大都督』と解譯すべし。
是卽ち『日本鎭西筑紫大將軍』と同義也。
筑紫王帥邪馬が、或は總角角髮の猶太人라비やら、或は羅馬人やら、或は日耳曼民族やら、或は突厥・隋・唐と緣同じうする將軍やら、是の點に關して確證は見當らず。