天辺の新しい脚 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 二体の生き物が喫茶店でコーヒーを飲みながら話し合っていた。

 「それは新しい脚かね?随分と珍しい場所から生えてきたね」

 「ええ。私もまさか身体の天辺から脚が生えてくるとは思いませんでした。今はまだ細くて弱々しいですが、これから骨や筋肉が発達してくるはずです。私もかなり長く生きていますが、身体の上下が一気に逆様になるような変化は初めてなので戸惑っていますよ」

 「今の脚は既に老化が進んでいそうだから数年で使えなくなるのだろう?それが腐り落ちる前に新しい脚で歩行できるように練習しておかなければならないわけだね。しかし、逆立ちのような格好で歩き回る羽目になるから慣れるまでは大変そうだね」

 「ええ。しかし、長く生きていると必ずそういう苦しい時期があるものです。身体の上下が逆転したところで私はそれからも生き続けようとするでしょうし、慣れれば今よりも快適に暮らせるかもしれませんよ」


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