刑務所として改築 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 「先日、夢の中でマンションの大家であるらしい女が私の部屋に訪ねてきましてね」

 「その大家は実在する女なのですか?」

 「いいえ。しかし、夢の中ではその女が大家になっていて私はその設定にまったく違和感を抱いていなかったのですよ。それで、大家はこのマンションを刑務所として改築するつもりだと言ってきたのです」

 「刑務所ですか。だとすると、あなたは看守になるのですか?」

 「看守になるという考えができれば良かったのですが、囚人にされるのかもしれないという考えが頭の中に浮かんできたので私はひやりとしましたよ。しかし、大家は私が住んでいる部屋以外を牢屋にするから私はこのまま住んでいて構わないと言いました」

 「つまり、あなたは部外者という立場になるわけですか」

 「同じマンションに住んでいるわけですから完全に部外者というわけでもなさそうでしたけどね。いっそ自分も囚人として牢屋に入れてもらおうかという考えましたよ。自分だけ仲間外れになるかもしれないと思って心細いような気持ちになりましたからね」


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