ラジオがある夢 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 女達の笑い声が聞こえてきたので私は意識が覚醒した。薄目を開けたが、部屋の中が真っ暗なので朝にはなっていないようだと私は思った。すると、ひどく億劫な気分になった。夜が明けるまでは眠っていたいと考えた。

 しかし、女達の声がずっと聞こえていた。二人の女達が楽しそうに会話をしているようだったが、彼女達が用いている言葉には独特な単語がたくさん含まれているので私はまったく内容を把握できていなかった。

 そういえば、ラジオを聴いたまま眠りに落ちたのだったと私は思い出した。その音声が室内に響いているようだった。私はラジオの電源を切るという行為がひどく億劫であると感じられているので布団から出ずに瞼を開けなかった。

 いつの間にか、私は再び眠っていたようだった。目が醒めると朝になっていた。そして、女達の声は聞こえてこなくなっていた。そもそも寝室にはラジオがないのだと私は思い出した。上半身を起こして部屋の中をぐるりと見回したが、やはりラジオはなかった。


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