父との対話 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 真夜中に目が醒めた。夢の中で父と対話をしていたという記憶が意識内に残っていた。外見上はどこにでもいる子供のような姿をしているのだが、どういうわけか、私はその相手を父だと認識していたのだった。

 しかし、私はさすがに違和感を覚えていた。私は子供としか見えない父に対してどのような態度を取るべきだろうかと迷いながら会話をしていたのだった。父の言葉遣いは流暢で澱みがなかったが、私の方はすっかり無口になっていた。

 父は私の気持ちなどには無頓着なようで屈託のない笑みを浮かべながら特撮番組について話してきていた。子供っぽい態度なので私は受け答えしながら当惑していた。そもそも父は特撮番組などに興味を持っていなかったはずだった。しかし、それでも私は目の前の子供を父ではないと断定する気持ちにはなれずにいた。戸惑いながらも息子として接していた。


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