バナナばかり描いている | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 黄色の塗料が大量に手に入ったので私はこのところバナナの絵ばかり描いている。紙が高価で入手が困難なので自宅の壁や天井で代用している。それだけでは足りないので外壁や屋根にまでバナナを描いている。そのせいで家の外観がまるでバナナ屋のようになっている。

 しかし、私は黄色いだけのバナナには飽き足らなくなってきている。赤色や青色のバナナを描きたいという欲求が日増しに強くなってきている。他の色の塗料が入手できないので土などを混ぜて色合いを変化させようと工夫しているのだが、なかなか思うような効果が出ていない。縞模様や水玉模様などの派手な色遣いのバナナが頭の中に浮かんできては消えていく様が勿体なくて遣る瀬ない気持ちにならされている。


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