大きなヒマワリ | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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 美術館で大きなヒマワリの絵を見掛けた。物体の大きさを意図的に狂わせて描かれているようだった。周りに建っている民家の屋根よりも何倍も高い位置に鮮やかな黄色の花が満開に咲いていた。茎も太くて人間の胴程もありそうだった。なかなか迫力がある絵だったので私は一目見て気に入った。

 その夏はずっと風景の中に大きなヒマワリを探しながら過ごした。街を歩いていても私は高層ビル群よりも大きなヒマワリの姿を想像していた。青空を見上げる度に黄色の花を思い浮かべていた。

 しかし、夏が終わり、気温が低下してくると大きなヒマワリを希求する気持ちはすっかり霧散した。それで、私はまた美術館へ行って今度は秋の絵を探してみようと考えた。

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