誰もいない川辺の公園でぼんやりと日没を見守っていた。既に空は赤みを失い、ひんやりとした暗い青色が広がりつつあった。私は太陽を追い掛けていこうか、と思い付いたが、走力に自信を持てなかった。
風が強まってきていた。ジャングルジムの頂きから一思いに飛び下りると周辺がさらに暗くなったように感じられた。すっかり夜になったようだった。
心細くなってきたので私は街を目指そうと思った。この近辺の土地勘がないので街の方角を知らなかったが、とりあえず堤防の上にある道を歩いていった。
すぐに日が暮れ、大きな月が輝き出した。周辺はとても静かだったが、夜空にはたくさんの星が犇めいていて賑やかな印象があった。私は足元の道が天上にまで延びていたらいいのに、と考えながら歩いていた。頭上の空は遠くて手が届かないが、天と地が遠くで繋がっているかもしれない、という予感に期待を寄せていた。
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