そこに何もない場合 | 山田小説 (オリジナル超短編小説) 公開の場

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短い物語ばかりですので、よろしくお願いします。

 二人の病人が隣り合わせのベッドに横たわったまま議論を交わしていた。その争点は死後の世界が存在するかどうか、という事だった。しかし、結局のところ、二人の間では一致した結論が出なかった。そこで、彼等はこの問題をギャンブルの対象として扱う事にした。
          
          <数日後>
          
 片方は勝っても嬉しがる事がなかった。
 もう一方は負けても悔しがる事がなかった。
 二人はギャンブルの結果を知る事さえなかったのだった。

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