わしが初めて勤めた職場には

今だに印象に残っている人がいる。


1.心のない漢

わしがやっていた仕事は

1つの案件に対して2-3人で捌くという

チーム体制であった。

別の部署の方が仕上げた書類が

自分の部署のボックスに回ってきたら

中身を確認し、捌いていくというもの。

そのタイミングで、メールで編集可能なデータが送られてき、書類と確認事項を照らし合わせながら

完成させる。

それを漏れやミス防止のために

トリプルチェックし、リーダーに提出しサインをもらい、取引先のお客様に添付書類として送る。

というものが、主な仕事だった。

なので、ボックスに書類が入り次第、

これは私がやります。と一言、他の2人に声かけをして行うのが決まりだった。


入社してしばらくすると、

一緒にやっていた1人の男性を本社に戻す。

という噂を聞いた。

この時は意味がわかっていなかったが、

この男性は本社で何かをやらかし、

わしのいる部署に飛ばされた男なのであった。

わしは空港で働くのを夢見ていたが、

興味のない方から見れば、辺鄙な場所にあること

勤務時間が長い上に、通勤まで不便となると

わしより通勤が遠い方たちは

もっと睡眠時間が短い人もいたので、

本社勤務の方たちからすれば

島流しのような支店という認識であった。

無事本社復帰を告げられた男性は喜んでいたが、

結果押し出し式という話しで

本社でやらかした別の男性が、

その男性の後釜にくるという説明が

エリア部長からあった。

わしともう1人の女性はエリア部長から個別に

呼び出され、後釜漢についての話しがあった。

端的にいうと、人の気持ちが全くわからない上に、

仕事の詰めも甘いのに、自分が仕事をできていると思っているので指摘をすると

嫌がらせや仕返しをしてくるので注意するようにとのこと。

40前にも関わらず、高学歴を鼻にかけ、とにかく扱いづらい。との評判だった。

プライベートの話だからこれはオフレコにして欲しいと後釜漢の人間性についても補足があった。

後釜漢は、できちゃった結婚をしたらしいが、

お見合いサイトに登録し、最短で結婚できる女を探し、結婚し子供を作った。が、本人に結婚願望や子供を欲しいという感情は全くなく

周りの同期や先輩が結婚し子供がいるから

自分自身が一人っ子なので親の介護が出来る女

昇進のパーセンテージが減るから結婚しただけ。

奥さんと子供は金食い虫で好きでもなんでもない。と、飲みの場で語っていた。とのこと。


ほほーう。そんなやつもいるのか。

というのがその時の印象だった。


話しを聞き終わったあと

一緒のフロアで働くわしの教育係をしてくれていた定年退職前のおじさんはエリア部長に

どうにかして会社から追い出したいので

どんな些細なことでも何かあったら報告が欲しいと言われたからわしにも何かあったら教えてネ。と言われた。


わしはこの時自分がまさかこの後釜漢と

一悶着を起こすことを知るよしもなく、

どんな顔してんねやろ。はよきてほしーなー。

意外と喋ったらぶっ飛んでておもしろおっさんかも。

なんて思っていたのを後悔するのであった。



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