能にとって無くてはならぬ存在。能面。
僕らは能面のことを「オモテ」と呼びますが、表裏の表というよりも時代劇などで聞く"オモテをあげぃ"の面です。つまりは顔のこと。
前回の記事👇
能をはじめてご覧になる方の中には、まず能面が気になる方も少なくないと思います。
見えるのか?息苦しくないのか?など、良く聞かれることがあります。だいたいご想像の通りです。具合やタイミングによって全く見えない状況もあります。
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能面について書いたコラムも貼ります👇
今回僕が勤める「海人」の能でも、前後で能面を2つ使用します。チラシにある能の写真は海人の写真です。
上が後場の龍女の顔で「泥眼(でいがん)」、下が海女の亡霊の顔で「曲見(しゃくみ)」を使用する決まりになっています。
これらの面を簡単に紹介すると、曲見はお母さんの顔に使用することが多く、また泥眼はこの世の者ではない状態の顔に使用します。
前場の曲見はご宗家にお借りする予定ですが、後場の泥眼は面打師の新井達矢さんに新しく打っていただき、その面を使用する予定です。
作り途中の画像をいただきました。この造形をつくる技術、いつ見ても尊敬します。女面系は鬼神面と異なり繊細で非常に難しいのだと聞きます。
今までに新井さんに打って頂いた面です。
上は、怪士(あやかし)という怨霊の顔。
こちらは十六(じゅうろく)という若武者の顔。敦盛や経正に使用することが多い顔です。
丁度この十六を打たれている時にテレビ局による取材があったようで、YouTubeにその番組が載っています。
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新井さんのインスタです。新井さんは多くの注文を沢山抱えてらっしゃる人気の面打ちのお一人です。是非ご覧ください。
室町時代、江戸時代、又それ以前の能面を、古面(こめん)と呼びます。そして江戸期では無く明治以降のものを新面(しんめん)と呼びます。
そして新井さんの能面は新面にあたりますが、総じて能楽師の舞台では古面が多く登場します。それにはそれなりの理由がありますが、ここでは深追いせず...
当然、新面には新面の良さがあります。出来立てホヤホヤを舞台で使用できるのもまた楽しみの一つです。皆さんもお楽しみに!
活動・いろいろ
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子ども向けの夏休み企画、能楽体験教室です。8月20〜23日の4日間、能楽師と一緒に、舞ったり謡ったり、してみませんか?
会場👉五反田・池田山舞台
🙆♂️一般向けには、3〜8月の半年間、月2回、宝生流の謡コースor金剛流の舞コース、または両コース、能楽師から学べる期間限定の稽古体験教室です。舞コースは私が担当しております。
詳しくは👇
申し込み✏️
能楽師 有松遼一の「はじめての能! 」
午前中は満枠ですが
午後の部を増枠されました!
ワキ方の有松さんが手がける人気講座です。能の面白さを知っていただく為の企画とのこと。僕は第3回目に特別ゲストとして出演します!
満員御礼の会のためお早めのご予約をお願いします!
📹映像をまじえながら能の“味わい方”を講義
🍁四季折々の古典の名文を紹介
🎵謡の体験
🪭謡の実演鑑賞
🍵お抹茶とお菓子付き
主な舞台
⚫︎2024年6月15日
東京・国立能楽堂 潤星会
能「海人」シテ
⚫︎2024年6月22日
京都・観世会館 若手能
能「敦盛」シテ
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チケットのご要望・お問い合わせ👇
ECサイト・ISUMI
ISUMIのグッズも宜しくお願い致します。
ISUMI手ぬぐいは、手捺染の高級手ぬぐいです。能の演目をモチーフに制作しております。初回の手ぬぐいは「翁」は完売しました。
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