甘い生活 | ローマでお散歩

ローマでお散歩

ときどきローマ在住で、気まぐれ生活を送る私の、ガイドブックには載っていない、素敵なイタリア〈ローマ〉や
日本での生活、イタリア料理などをご紹介します。

ローマに行くようになり、
よく目にしたり
耳にする言葉がある。
それは

LA DOLCE VITA
(甘い生活)

イタリア人は良く
この言葉を使うと私は思う、、、
ローマのパパも
ケーキ片手に、朝から甘いものを食べる。
そんなパパが、
甘いものを食べて幸せな気分で1日を送る。
あ、あ、これこそが
DOLCE VITAだと言っていた。

だから、前から見たかった、
イタリアの巨匠 
フェデリコ フェリーニ監督の代表作
1959年にローマで製作された
モノクロ映画
「LA DOLCE VITA」
に興味があったが、
うちの近所のTSUTAYAさんには
置いてなく、、、諦めていた。

今年の初め
ローマに居た時に
この映画に出演していた
アニタ エグバーグさんが83歳で亡くなった
とニュースで流れていた。
その時流れてた
彼女の映画で
トレビの泉で噴水と戯れる
ワンシーン。
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きっと、ロマンチックで甘いストーリーなんだと
勝手に思い込んでいる私。

そんな映画が、
テレビのシネマチャンネルで
放送されていたので、
夕御飯の支度をしながら
わくわくしながら見ていた。

見覚えのある、ローマの街角。
やけに車の少ない
サン・ピエトロのクーポラからの眺め
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それ以外にも、
もしや?ローマのうちの近所?と思わせる
シーンやら公園などがでている。

この映画の主たる舞台は
1950年代後半のローマ
ヴェネト通り。

第二次世界大戦後の
この頃から
カフェに野外テーブルが置かれるようになり
セレブや、
そのセレブを追いかける
パパラッチが集まり
それを見物する人々で賑わっていたらしい。

✴︎「主人公は、作家になる為にローマに出てきた男
実際にはゴシップ記事をかく記者という
望まぬ職業につくしかなかった人の話」

確かに、いまだに
ヴェネト通りのお洒落なカフェには、
この映画のシーンの写真を飾ってる
店があった気がする、、、、、

で、わくわくしながら見ていた
ストーリーなんだけど、
見れば見るほど、、、、
甘くロマンチックな私の想像から、
離れて行く、、、、
女好きな主人公
乱痴気パーティに、
友人の子供を連れて自殺など、、、

ラストシーンでは、
貴族の館で乱痴気パーティをした
夜明けの浜辺
打ち上げられた巨大な怪魚の放つ死臭、
対岸から天使の様な純白無垢な少女に
声をかけられるが、
波音に消されて聞こえない。
主人公はまた、堕落し腐りきった世界にもどり
少女は、彼の姿をじっと見つめる。
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憧れていたローマの生活は、
孤独や虚しさ、妄想、絶望、、、。

自分が少女の様に
純白無垢な世界に行くことを望んでも、
もはやそこは余りにも遠い世界になってしまった。
そんなストーリーの様だった。


後で
この映画は
フェリーニ監督が、
ローマの上流社会の退廃を
センセーショナルに描き
社会問題を巻きこんだ
衝撃作だと知った。

映画を一度で理解するには
難しすぎる作品だったのかもしれないが、
私の甘い想像を(ロマンチックな)
見事にノックアウトしてくれた。
ある意味、私にとっても
センセーショナルな作品だった。

フェリーニ監督が後に述べた言葉

1950年代になって
ローマは素晴らしい場所になった。
そこでは、生活がカーニバルのように
無秩序で非現実的になった。
この活力と興奮、刺激と不安に満ちた
風土こそ
まさに私が映画に取り入れたいものなのだ。


甘い生活。
人生は、そんなに甘くない。
だから、せめて、
朝ごはんくらい、甘いものを食べて
幸せな気分になろうじゃないか、、、、
パパの言葉から、

ローマの人にとっては、
LA DOLCE VITA(甘い生活)
とは、
いろんな意味でスローガン
の様なものかもしれない。
と思った。


✴︎映画の様に人生なんてこんなもんさ、適当にやろうよ
✴︎悲観的になっていても、なにも変わらない
✴︎虚しさを忘れて楽しんじゃおうぜ
✴︎愛に包まれた生活をして
✴︎まぁ、まずは、甘いものでも食べようか

ってな具合に、
楽観的になっていくのだろうか?

今のイタリアはいろんな問題が浮上して
問題だらけ。

日本人の私からしたら
カフェでお茶している場合じゃないんじゃないの?
とも思うけど、
そんな時だからこそ、
パパ的DOLCE VITA。

まずは、気分だけでも幸せになろうよ。
これが、大切なのかも知れない。

いろんな事を考えさせせてくれる映画だった。

ps.
来週からローマに行く私に
羨ましい。
いいなぁ~と皆が声をかけてくれる。
正直、旅行ではないので、
そこまでも、
羨ましがられるような
生活をしているわけではないが、
日本にいる、
子育て世代の友人にとっては、
行きたくてもいけない憧れの都。
LA DOLCE VITAなのかもしれない。
そんなに、
楽しいことばかりじゃないよ!
ついつい、
そう言って否定的になる私。
映画の様に、虚しさや、
孤独、腹立たしさを感じる事は
多々起こる。
たぶん、在住者の日本人妻さんなら、
こんな私の気持ちを
頷きながらわかってくれることだろう。

でも、この映画をみたあとで、
ふと、思った。
完璧な甘い生活なんてものは
幻だから、
せめてパパの様に気分だけでも
DOLCE VITAを楽しもうと、、、、

日本の友達のみなさん。
昨日まで
どよーんムードでしたが、
あなたの分まで楽しんできますよと
心入れ替えました!!!

あまり連絡はできなくなるけど、
君たちも、
ブログ読んで、
気分だけでも楽しんでね~!!