作者は降田天。
針山小学校3年1組には女王が君臨している。ぼくにオッサンというあだ名をつけたのも女王であるマキだ。女子たちはほぼ全員がマキの支配下に置かれており、彼女に嫌われないよう常に機嫌を伺っている。機嫌を損ねた者は露骨な嫌がらせを受けるからだ。唯一、オッサンの幼馴染で学級委員のメグだけはクラスをまとめようとしているが、根が内気のメグではマキに敵うはずもない。4年に進級してもクラス替えは行われずマキの天下が続くものかと思われたが、転校生のエリカという新たな女王の登場によってクラスの女子の勢力は二分され、激しい争いが巻き起こる。
このミス大賞を取った降田さんのデビュー作。女王であるマキとエリカの争いを覚めた目で観察しているオッサン。オッサンとっては幼馴染のメグがその戦いに首を突っ込んで傷つかないかどうか、だけが関心事だ。第一部ではあらすじに書いたような小学生女子同士の醜い争いが描かれる。
髪飾りがダサい、母親が老けている、そんなくだらない理由で争うマキとエリカだが、相手に対する攻撃は陰湿度を増していき、ついに死人が発生する事態に陥る。自分には小学生時代の記憶はないが、直接的で容赦の無い攻撃は非常に小学生らしく幼さと残酷さがありグロテスクだ。
第二部では教師の話、そして第三部では20年後が描かれる。読んでる間は第二部はちょっと意味不明だったが、第三部でその必要性が分かるのと、ちょっとした仕掛けに驚かされた。このミスの大賞を取ったのが納得できる作品だ。最近の作品は比較的安定感があるが、このころはかなり尖ってたんだな。
次は阿泉来堂。