中国の旅 その1北京・頣和園、 その2北京・天壇その3北京・鼓楼に続き、北京の胡同(フートン:古い北京城内にある狭い通り、横町のこと)について、記述しましょう。

 

 

胡同

 

鼓楼の西側にある什刹海(西海、后海、前海の三湖)一帯 の胡同は、北京に残る胡同の中でも保存状態も良好で、美しいと言われている。伝統的家屋建築である四合院が多くこの胡同に面し、古き良き北京の面影をしのばせる。

 

什刹海 一帯の胡同巡りに参加すれば、北京の伝統的な文化を理解できるだけでなく、北京の庶民の生活を目の当たりにすることができるでしょう。

700年もの歴史をもつ伝統文化や風土・人情を垣間見ることができることから、「胡同観光」が盛んで、什刹海一帯から鼓楼にかけ、外人観光客を乗せて走る三輪自転車をよく見かける。

 

 

 写真上: 北京胡同(絵葉書から)   

 

 

「胡同観光」は1990年代初めに始まり、急速に発展した。しかし胡同は単なる観光名所ではなく、旅行社の物でもないため、管理が難しく、北京市政府は2004年になって、「胡同観光 」を保護する目的で立法をおこなった。人力三輪車を利用して観光事業を展開する観光業経営者に対して特別経営許可を行い、経営範囲と車両総数を制限したのです。

 

胡同観光の目玉の人力三輪車

 

 

 

北京の胡同の起源は、元代の大都造成(1267年)までさかのぼる。胡同は元・明・清の時代を経て、形づくられ、絶え間なく増えていき、実数はわからないようです。地図上にXX胡同といろいろな名前の胡同を見つけることができる。

現在、都市の再開発にともなって、多くの胡同が消えつつあるが、什刹海地区は、北京市が重点的に保護する「文化歴史街区」として、ほぼ昔のままの胡同を残している。

 

胡同の幅はそれほど広くなく、両側には煉瓦敷きの平屋が並び、屋敷一軒一軒にそれぞれ異なる門を持っている。胡同の両側に立ち並んでいる平屋とは、北京の伝統的な住宅『四合院』と呼ばれる建物のことで、形は「回」という字と似ており、周りを外壁に囲まれて、中央に庭があり、東西南北の四つの方向に四軒の部屋が建てられている。北側にある部屋は正房(母屋)、東西両側の部屋は廂房(シャンファン)、南側にある部屋は倒座と呼ばれる。高位高官や富豪の四合院は広々とし、柱や外廊下、軒に絵や彫刻が施された華美なもので、主の住む四合院の前後に別棟を備えるものも多かった。それに比べ、庶民が住んだ四合院は構造が単純で、門は狭く軒も低いものであった。一つの四合院には、二、三世代の家族がいっしょに生活し、四世代の大家族が住むこともある。

近年では、複数の家族が居住し内部構造もそれに合わせて変化した、いわゆる大雑院になったものも多くあるそうです。これらの四合院は互いに影響し合って発展し、多彩な胡同の景観をつくり出している。

胡同巡りツアーでは胡同の四合院を訪問し、食事(家庭料理、餃子、飲み物)を行うことも可能です。

 

 

写真上:鐘楼および周辺の胡同 

写真下:前海の北側にある「烟袋斜街」で見かけた胡同

 

 

 

鼓楼から見る前海(遠くに白塔が見える)

 

 

現在、第2環状線内に住む住民の三分の一が、昔ながらの四合院に住み、胡同で暮らしているといわれている。北京の胡同は北京を代表する歴史的な文化財でもあり、すべて保存すべきだという声もあるが、インフラ建設や2008年の北京オリンピックのため、沢山の胡同が取り壊されたのが現状です。しかし、北京市の歴史文化保護区として、25ヶ所の胡同(総延長111キロ)が保護されるそうです。什刹海一帯の胡同もそのひとつです。

 

 

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