機能改善
何回かのシリーズものになりそうなので、「機能改善」を以下のように定義します。
筋肉の向上や関節の機能強化ではなく、ケアをすることで、筋肉や関節などその部位が本来持っている働きが蘇ること。それによって、パフォーマンスが向上すること。
臀部の疲労、真犯人は梨状筋!?
機能改善①は梨状筋のケアについて紹介する。
梨状筋は↓
お尻の奥深くにあり(深層外旋六筋)、太ももの骨と骨盤を結ぶ筋肉になる。
主な役割は以下の通り
①走行時の股関節の安定化
②体幹と下肢の安定性強化
③衝撃吸収作用
私は厚底シューズを履くようになってからは特に臀部の疲労が目立つようになっていた。
ここ数年で撃沈しているレースは主に疲労抜きを失敗しており、その疲労には臀部の疲労が絡んでいた。
特に2021年の萩石見空港マラソン前は臀部の疲れというか、張りやコリみたいな感覚がひどかった。
レース途中に地面を蹴って足が離地しようする際に、お尻がロックされた(動かなくなる)ような感覚になり、走行中に臀部が働かないゆえにフラつくという現象が起こったほどだ。
為末大氏も自身のyoutubeチャンネルで「梨状筋のストレッチ」という回の中で同様の発言をされている。
以前、臀部の疲労やケアに関して、こちらの記事で考察している。
事実、「仰向けバンザイ」というストレッチをすることで軽減された感覚もあった。
けれど、「まだ(疲労が)抜け切れていない」という感覚もあった。
今年に入り、「梨状筋」の役割や、そこが疲労したり硬くなったりすることによる弊害を知り、「(今までの臀部の不調の真犯人は)これだ!!」と思った。
そこで、「梨状筋のストレッチ」を検索して試してみた。
you tubeやネットで検索すれば詳細な紹介とともにヒットするので、ここではその部分は割愛させていただく。
そして、その中でも一番私に効果があったのがこちら↓
これですごく臀部が楽になった。
マラソン後の疲労が格段に楽になった
はじめに断っておくが「格段に楽になった」といっても、「全く疲労しなかった」ということではない。
あくまでも「これまでのマラソン後と比較して」ということを前置きしておきたい。
8月以降導入したレシプロストレッチ
9月以降導入した背骨体操
この2つを導入した段階でそれまで痛かった足首がかなり楽になった。
「潤滑油が行きわたったかのように」肩甲骨と股関節の連動がスムーズになった。
そこに加えて梨状筋のケア(前述の「お尻ほぐし」を中心に行った)によって、歩行レベルで日常生活が楽になった。
一番ひどかった時と比べると、まるで「動く歩道」を歩いているかのような感じだった。(見方を変えれば、それだけ不調時の臀部はひどかったということでもあるが・・・)
そして先日の下関海響マラソン。
中盤以降の上り坂で一番堪えていたのは「お尻」。
そして、走り終わった後に「ジンジンしていた」のもお尻。
これは、しもやけに近いような感覚で、2時間近くこの感覚が続いた。
そして、それ以降は治まった。
対して、これまでのマラソンで疲労していた
大腿四頭筋(太もも前面)や太もも側面、膝裏やハムスト周辺は階段を上り下りするなど負荷をかければ疲労を感じた。
けれど、通常の歩行で筋肉痛を感じるようなことはなかった。
これは、今回のタイムが自己ベストよりも10分以上遅いこともあり、一概には言えない。
とは言うものの、梨状筋の疲労や硬さが改善されたことによって大殿筋や中殿筋といった「お尻のアウターマッスル」が以前よりも機能するようになった。
その結果、前述の大腿四頭筋などの「従来疲労していた筋肉」への負担が軽減されたのだと考えている。
「梨状筋の機能改善」によって、臀部のアウターマッスルが機能するようになった。
その結果、マラソン後の疲労が従来よりも楽なものになった。
現段階ではそう結論づけている。
臀部に違和感を覚える
コリや張りや疲労感がある
大殿筋や中殿筋のケアをするけど、どことなく疲労が残っている
走行中にお尻がロックされた(硬くて上手く動かない)感覚がある
腰に疲労や痛みがある
これらの症状がある人は、その真犯人として梨状筋を疑ってみてはどうだろうか。
ぜひ梨状筋のストレッチや、先ほど紹介したお尻ほぐしをすることで、梨状筋を蘇らせて機能改善につなげていただきたい。
また、それらの症状がなくても座って過ごすことの多い現代人は梨状筋が硬くなりやすい。
定期的にメンテナンスをして健康な生活を送る一助になることを願う。