今日は馴染みのお母さん(Aさん)が、お子さんの発熱で来院されました。
お子さんは元気で問題なかったのですが、雑談から次第にAさん自身の話になっていきました。
教育関係の職業をされているAさんは、子供たちの個性の芽を摘んでいるような今の社会のあり方に耐えきれず、今の仕事をやめるかどうか悩んでいました。
しかしやめるとなると、収入が途絶えることになるわけで、そこはほぼ全ての人と同じく、躊躇していました。
特に住宅ローンを抱えている家庭にとって、それは由々しき問題になります。
Aさんも半年ぐらい前に一軒家に引っ越したとおっしゃっていたため、この問題があるのだろうと思ってお話を聞いていたのですが、よくよく聞いてみるとその問題はほぼない様子。
となるとそこまで思い悩むのは、お金以外に理由があるのだろうと思っていたら、次第にご自分のお母さんとの確執に話が進んでいきました。
そして、自分が仕事をやめるとなると、お母さんからの叱咤が一番困ることであり怖いことだと話し、涙を流し出したのです。
Aさんのお母さんは、いわゆる硬い仕事をすることが幸せになれる道だという考えを持っていて、それから外れるなど許されないことだと幼少時より言われ続け、だから金銭的な問題がなくとも今自分が仕事をやめることなど許されないと感じていたようです。
でもそれは自分の本当の気持ちを自分で否定することであり、とても悲しく苦しく大きな怒りを生み出すので、生きづらさを感じているのです。
Aさんご本人も薄々感じていたようで、「やっぱりそこを避けて通れないんですね」とおっしゃっていましたが、この部分に向き合うことは、とても怖いことです。
勇気を出して「今自分はこう思っているんだ、こう感じているんだ、これからこうやって生きていきたいんだ!」と実際にお母さんに言ったとしても、期待がみごとにはずれて事が悪化することはよくあります。
しかもそんな怖いことを言える人は、そもそもいません。
ではどうするか?
世の中には色々な方法がありますが、僕が使えるのは、催眠療法の中の「年齢退行」という方法です。
イメージの中で生まれてから今日までの過去のどこかに戻り、その時に言いたかったけれど言えなかったことをお母さんに伝えることで、その時の自分が感じた悲しさや悔しさといったネガティブな感情を昇華させ、自分の奥底にあって今の自分を苦しめている小さな自分の想いを叶えてあげるのです。
すると、不思議ですが現実が変わってきます。
実際にはお母さんに何かするわけではありません。
自分のイメージの中でやるだけなのですが、それでもイメージの中のお母さんに想いを伝えることは怖くてできない場合がほとんどです。
そこで、色々な手助けをしながら想いを伝えてもらうのですが、すると思いもよらなかった展開になっていき、自分の想いが叶えられ、現実も変わるのです。
なんか不思議な話ですが、催眠のセッションを行うと、この不思議な現象がいつも起きて、みなさんいっぱい泣いて解放されて楽になって帰っていかれます。
実はこのAさん、現在開催中の「ヒプノセラピスト養成講座」の受講生です。
先月「入門編」、つい先日「基礎編」を受講してもらい、そして来月「実践編」の受講予定です。
来月の「実践編」では、この「年齢退行」をお伝えすることになっています。
受講生どおしで練習し合い、セラピストとしての心技体を体得してもらうのですが、クライアントとして受けてもらうことにもなるので、そこで多分お母さんとに想いを伝えるという「怖いこと」を体験してもらうことになります。
でもその先には、大きなギフトが待っているのだと思います。
催眠療法は、自分の心の奥底にあり自分でも気づけない想いを引き上げることで楽になってもらうお手伝いをする手技です。
サラピストの想い(価値観)を入れ込む(押し付ける)ことは、ご法度となります。
ご自分が催眠療法を受けたいという方はいつでもご連絡をお待ちしております。
セラピスト養成講座を受講したいという方は、次回いつどこでやるかは未定ですが、ご連絡下さい。
条件が合えば、出張して開催することも可能です。
来週(2023.1.27/28)は大阪での基礎編開催になります。
お楽しみに~
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各地に出張する機会が増えてきました。
お話会や講座のついでの「個人相談」「催眠療法個人セッション」や、主催をして下さるなら「お話会」や「講座」や「催眠体験会」も行うことも可能ですので、メール(yamabiko.dr@gmail.com)かFBメッセンジャーにてご連絡下さい。^^