現在ワクチン講座の資料を新バージョンに改訂中につき、記事の投稿が出来ておりません。
そのため、先ほどフェイスブックが教えてくれた、2年前の自分の記事をシャアしてみます。
他院で長期に投薬しているのに治らない、という主訴で来られる患者さんがよくいらっしゃいます。
その場合は、まず薬を全部やめる、もしくは1種類だけ残してやめてもらう事にしています。
そして1週間程後に受診してもらうと、ほとんどの患者さんは良くなっている事をよく経験します。
薬は全部悪だ!と言うつもりはありません。他の医者の批判をするものでもありません。もしかして、その患者さん達の中には、僕の言う事に不信感を抱き、別の病院にかかって良くなった方もいるのかもしれません。
只、薬をやめるだけで良くなる人も間違いなくいる、という事実を知ってもらえればいいな、と思っているのです。
何かあったら足すより引く方がうまくいく事が多い、と感じています。
世の中は、シンプルで美しくできているのです。
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「子供への薬剤投与について」
毎月1回、車で30分ほどの小児救急医療センターへ出向き、夜11時から翌朝7時まで夜間勤務を行っています。
昨夜も勤務してきましたが、普段自分のクリニックで行っている診療と全く同じようにはしていません。医療センターのやり方に大きく外れる事をすると、患者さんをかえって混乱させて不利益を与えてしまうからです。
小児救急センターに来院される子供達は、県内中のありとあらゆる医療機関にかかっていますが、お薬手帳を持参される方がほとんどですので、どの医療機関でどういう薬が出されているのか知る事ができます。
そこでやはり気になるのが、数種類の薬を長期に渡って内服している子が、少なからずいるという事です。
昨日も、生後7ヶ月で抗生剤を含め5剤内服しているお子さんを診察しました。
咳と鼻が出たとこう事でかかりつけ医でその薬をもらい、昨日になって発熱したという事で夜救急センターにいらっしゃいました。
内服しているのに発熱したわけなので、その抗生剤は間違いなく効果がないのですが、主治医でない者が勝手に薬を中止するのはよくありません。かといってさらに薬を追加するのはもっとよくありません。「心配ない熱なのでこの薬を続け、又かかりつけ医を受診してください」とアドバイスをして帰宅していただきました。
10ヶ月前より当院は院内処方にしましたが、自分で薬を管理する様になって、今まで以上に薬の処方が慎重になりました。
一番の理由が、薬の実物に触れる事で、その量の多さを実感したからです。
院外処方の時には、薬の商品名と(例えば)0.5g 1日分2 4日分 と書くだけです。実際の薬の量や色や質感、その雰囲気を想像する事ができません。
又、日本中同じだと思いますが、症状が変わらなかったら薬の追加をしていく、というのが常識になっています。効果がなければ中止をする、という感覚が薄いのです。
具合の悪い子供は、体の中で病原体と戦っている状態です。そこに体の異物である「薬」が入ってくると、その薬を代謝(=無毒化)するためにもっと体に無理をさせることになります。
薬を100%否定をするつもりはありませんが、本当に必要な時だけ必要最小限使用する、というのが基本だと思います。
少なくとも、0歳児への薬の投与は、本当に慎重にすべきだと日々感じています。