銭湯(公衆浴場)の果たす役割とは | 中央区議会議員 山本りえ 無所属

中央区議会議員 山本りえ 無所属

謙虚・素直・感謝の気持ちをもち、社会に必要とされるひとになります。多くの方々の信頼と期待に応えたい。

-消えゆく銭湯を守ろう-

 銭湯は、江戸時代から庶民の社交場、憩いの場として役割を果たしてきました。家庭のお風呂の普及により銭湯離れが進みましたが、最近では大浴場を備えたタワーマンションが出現するなど、その良さが見直されつつあります。

 中央区では、65歳以上の高齢者に区内8か所の公衆浴場および他区5か所の協力浴場を1回100円で利用できる「敬老入浴証」を希望により交付しています。また、毎月第2水曜日および第4水曜日は、通常料金大人520円のところ1人100円で入浴できる「コミュニティふれあい銭湯」を開設しています。コミュニティふれあい銭湯の日は、敬老入浴証持参者のほか、小学生以下の子どもは無料となります。

 令和4年度の敬老入浴事業は、予算額約9,126万円に対し決算額は約8,184万円で、約1,000万円もの執行残がありました。敬老入浴証交付総数は5,034人、延入浴者数は221,363人でした。中央区行政評価によれば、敬老入浴事業の対象者は約25,000人と年々増加しているのに対し、延利用回数はコロナを機に減少傾向となっており、利用者数の回復が課題です。

 利用者の減少による公衆浴場の転廃業を防止するため、中央区では浴場事業の振興に要する経費の一部補助をはじめ、公設浴場3か所の管理運営、民間浴場の設備等整備・燃料費等に要する経費の一部補助等を行い、公衆浴場の経営の安定を図っています。

 後継者不足などの課題はありますが、入浴というサービス以外の付加価値を高め、活性化を図っていく必要があると感じています。今後、高齢者人口やひとり暮らしの高齢者が確実に増加していく中で、銭湯を中心とした高齢者の健康増進や見守り、コミュニティづくりによる社会的孤立の防止や孤独感の緩和などが期待できます。また、災害時は被災者や避難所生活者の入浴支援サービスを提供する役割を担います。消えゆく銭湯を守り活性化する社会的意義はあると考えますが、皆さんはいかがお考えでしょうか。

 

🍎りんご湯のご案内

 12月1日、2日は、「りんごの湯」を実施します。中央区の友好都市である果樹王国山形県東根市よりリンゴをご提供いただき、湯船に浮かべます。日本には、5月5日の端午の節句は「菖蒲湯」、10月10日の銭湯の日は「ラベンダー湯」、12月22日の冬至の日は「ゆず湯」などの入浴行事はありますが、りんご湯ははじめてです。家庭のお風呂では味わえない開放感とりんごの香りを楽しみに銭湯に行きませんか。昔ながらの風情漂う銭湯と日本の入浴文化である銭湯のマナーが次代に継承されていくことを望みます。

12月1(金)湊湯、入船湯、月島温泉、日の出湯、勝どき湯

12月2(土)金春湯、銀座湯、十思湯

▽中央浴場組合公式HP

http://www.268chuou.com/

▽コミュニティふれあい銭湯

https://www.city.chuo.lg.jp/a0013/kurashi/chiikicommunity/community/fureaisentou.html

▽敬老入浴事業

https://www.city.chuo.lg.jp/a0028/kenkouiryou/koureikaigo/koureisha-shien/keirou/nyuyokuzigyo.html

▽東京銭湯HP

https://www.1010.or.jp/