中央区におけるふるさと納税 | 中央区議会議員 山本りえ 無所属

中央区議会議員 山本りえ 無所属

謙虚・素直・感謝の気持ちをもち、社会に必要とされるひとになります。多くの方々の信頼と期待に応えたい。

 ふるさと納税とは、生まれ故郷や応援したい自治体に寄付ができる制度です。ふるさと納税を行った本人が寄付金の使い道を選択できたり、地域の名産品等のお礼品等がいただける魅力的な仕組みとなっています。寄付金のうち2,000円を超える分については所得税の還付や住民税の控除が受けられます。【補足】本制度は、寄附という形で税金を前払いして、後で支払う税金から前払いした額が引かれる仕組みです。寄附による減税・節税効果はありません。

 ふるさと納税制度は、地方の自治体にとっては財源を確保する手段となる一方で、都市部の自治体にとっては財源を奪われるものです。令和5年度のふるさと納税による特別区民税の減収額は、特別区(23区)合計で約830億円に達し、この9年間で約90倍に膨らんでいます。平成28年度からの累計額は3,600億円を超えています。中央区においては、特別区民税に占める寄付控除の割合が10.06%で、23区で最も高くなっています。税の流出を懸念する特別区長会は、国に対してふるさと納税制度の廃止を含めた抜本的な見直しを求め続けています。

▽特別区協議会「区政会館だより」令和5年9月402号12ページ

https://www.tokyo-23city.or.jp/kikaku/shokai/kohoshi/back/documents/402-honbun.pdf

▽不合理な税制改正等に対する特別区の主張(令和5年度版)

https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/pdf/shucho/r05_overview.pdf

https://www.tokyo23city-kuchokai.jp/katsudo/pdf/shucho/r05_shucho.pdf

 

 中央区では、ふるさと納税による税の流出額が拡大し続けています。令和4年度は30億円、令和5年度途中では約34億円のマイナス影響があり、この7年間で6倍に拡大しています。このような状況を踏まえ、本区では平成29年12月から「ふるさと中央区応援寄附制度」を開始し、区民以外の方から寄附を募ることで新たな自主財源の確保に取り組んでいます。令和5年9月時点における「ふるさと中央区応援寄附を活用した団体支援事業」の支援金交付団体数は28か所となっています。また、本区の都市基盤整備を応援していただける区外在住者・法人等に向けた「首都高速道路地下化等事業応援寄附」を実施、令和4年度からは本区の魅力発信や賑わい創出に向け、体験型返礼品の開発などふるさと納税制度の活用拡大を図っています。

 令和4年度予算では、「区内まち歩きツアー」や「中央区推奨土産品」などの新たな返礼品の提供と「ふるさとチョイス」や「さとふる」などのポータルサイトからの寄付金の受付を開始しました。プライベートガイドと行くオーダーメイドのまち歩きツアーなどの体験型返礼品は、本区の観光商業や地域振興に資するものです。比較的、時間に余裕のあるシニア層に好まれます。

 令和5年9月補正予算では、「築地魚河岸の浜焼きバーベキューテラス利用券」と「歌舞伎座や明治座の観劇・食事券」を追加しました。コロナの行動制限が解除され、人の移動が活発化してきた今、中央区を訪れるきっかけとなるような体験型返礼品の開発やPRに努め、中央区ファンを獲得していくことを期待します。

 今後は、日本に住む外国人をターゲットにしたふるさと納税の展開も期待しています。外国人であっても、納税者であれば本制度の対象となります。本区が提供する体験型返礼品や中央区推奨土産品は、外国人が高い関心を寄せるものであると考えます。

▽総務省/ふるさと納税

https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_zeisei/czaisei/czaisei_seido/furusato/about/

▽中央区版ふるさと納税

https://www.city.chuo.lg.jp/kurashi/zeikin/furusato/furusatonozei_chuocity/index.html

▽令和5(2023)年度中央区財政白書11ページ

https://www.city.chuo.lg.jp/documents/2748/r5zaiseihakusyo.pdf

▽関連ブログ

https://ameblo.jp/yama-rie/entry-12617389728.html

https://ameblo.jp/yama-rie/entry-12664765585.html