政務活動費の使途基準の妥当性 | 中央区議会議員 山本りえ 無所属

中央区議会議員 山本りえ 無所属

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政務活動費の使途基準は、議員の合理的裁量?区民の客観的妥当性?

議会運営のあり方検討協議会(非公開)において、政務活動費の使途基準及び収支報告に関して、より一層の透明性を確保するために必要な修正等がなされ、その中間報告がありました。https://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kugikai/files/seimukatsudouhi_kitei.pdf

【今回の修正内容】

1、飲食を伴う会合への支出について

 個人的な立場で参加する会合や会議とは別の懇親会は計上不可。

2、資料購入費の支出について

収支報告書等に書籍名・資料名を記載。

3、ホームページ・広報紙に関する支出について

選挙活動・政治活動・後援会活動に関するものは80%を上限として按分可※

4、交通費・通信費に関する支出について

タクシー代は乗車区間・旅行目的を掲載、携帯電話使用料は月額上限2万円迄などです。

 

政務活動費は、議会の審議能力を強化し、議員の調査研究活動の基盤の充実を図るため、その費用等の助成を制度化し、併せて政務調査費の使途の透明性を確保しようとするものです。議員報酬とは別に申請により交付されます。

地方自治法第10014項は、「地方公共団体は、条例の定めるところにより、その議会の議員の調査研究その他の活動に資するために必要な経費の一部として、その議会における会派又は議員に対し、政務活動費を交付することができる。当該政務活動費の交付の対象、額及び交付の方法並びに経費の範囲は条例で定めなければならない」とし、同法同条15項は「政務活動費に係る収入及び支出の報告書を議長に提出する」、16項は「議長はその使途の透明性の確保に努めるものとする」と規定します。

平成2495日公布の地方自治法の一部を改正する法律では、政務調査費が政務活動費に改正されるとともに、条例で定める事項として、従来の交付対象、額、方法に「政務活動費を充てることができる経費の範囲」が加えられました。政務活動に要する経費に対して適切に充当されることが前提です。

平成25125日最高裁判決では、「客観的な目的や性質に照らして議員の議会活動の基礎となる調査研究活動との間に合理的関連性が認められない行為に関する経費は、該当しないものというべき」とし、総務省の見解に基づき、政務活動費を充てることができない経費として、政党活動、選挙活動、後援会活動、私人としての活動などが示されています。中央区議会では、この不適当な経費と判断される選挙活動、政治活動、後援会活動等が80按分対象となっています。

全国市議会議長会の「政務活動費に関するQ&A(参考指針)」における政務活動費と按分割合についてでは、「平成271月の岡山地裁判例等で1/2を基本とする判例が見受けられます。しかしながら、活動の実態にかかわらず1/2以下の按分さえしていれば、常に政務活動費の支出が適法になるということではありません。たとえ、1/2以下の按分であっても、活動の実態が全体として客観的に政務活動と認められないような場合には、その支出が全体として違法とされる事態も当然生じ得ることにくれぐれも留意が必要」と考え方が示されています。

 政務活動費に関する条例及び規則は議会が決めています。また、その経費は議員の合理的判断に委ねられ、議員の裁量で処理されます。中央区議会における政務活動費の使途基準に該当したものであったとしても、それが客観的公務性のないもの、社会通念上妥当性がないものでは正当性は確保できません。中央区議会への信頼確保に向けて、内部監査のみならず専門性をもつ外部監査が必要です。政務活動費は議員のためではなく、住民のために使われるべきです。

▽中央区議会 政務活動費

https://www.kugikai.city.chuo.lg.jp/kugikai/seimukatsudouhi.html

▽総務省 政務活動費に関する調

http://www.soumu.go.jp/main_content/000355362.pdf

▽政務調査費返還命令処分取消請求事件

http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=82916