山祭り | 神主の独り言 Part2

神主の独り言 Part2

雅楽と白山をこよなく愛す神主のブログです。

12月9日は山祭りの日と云われ、林業・鉱業・木工業などの山に携わる方々が、山の神を祀り仕事は休む日とされて来ました。

・・・と言っても、全国的なものではなくて、石川県、福井県、富山県の一部での習慣のようです。

 

本日は、山中温泉奥の採石場での山祭りをご奉仕して参りました。

祭事の画像はありませんので、Google画像を!

加賀市には採石場が幾つかありましたが、今稼働しているのは此処くらいなのかなぁ・・・?

不確かですが・・・

今、加賀市内では、加賀温泉駅周辺を中心に、北陸新幹線の延伸工事が始まり、砕石が大量に必要となり、ここの採石場もフル稼働のようです!

毎朝早くから、うちの神社の前のバイパスを、砕石を積んだダンプカーがひっきりなしに往復しています。

山祭りと言っても、休んでいる暇はなさそうです・・・・・。

 

あっ!

山祭りの説明がまだでした。

前述したように、北陸の一部地域で行われている山祭りは、毎年12月9日の山の神さまが降りてこられると言われる日に行う習わしになっております。おそらくはこの日に山仕舞いをしたんじゃないかを思いますが、山で生計を立てている人が、山への感謝を捧げる日であると言えます。
仕事は休んで、道具の手入れをし、神祭りの後の直会をして、御馳走を頂き酒を酌み交わすというような事が行われていたと言います。

 

山祭りに対する田の神祭りですが、これは12月5日に行われます。奥能登で行われる「あえのこと」が代表的な田の神祭りで、田畑の仕事を終える日に田んぼに田の神さまを迎えに行き、家の床の間でひと冬をお過ごし頂くというもので、神様を迎えた家では、目には見えない神様に、贅を尽くしたおもてなしをし、お風呂まで準備します。

翌年の2月9日まで家にお泊り頂いたあと、田にお送りして田畑の仕事が始まります。

山祭りにも春のお祭りがあるようで、田の神祭りよりひと月後の3月9日とされているようです。

 

山祭りはほとんど行われなくなった神事ですが、24時間365日休みの感じられない現代の流れの中、ふと大自然の摂理の中で生かされて生きている事に感謝し、手を止め足を止めて、心清らかに過ごす日があっても良いのではないでしょうか?