米国専門誌による「優れた日本庭園ランキング」 | やまちゃん1のブログ

やまちゃん1のブログ

美術、映画、文学、グルメ関係のブログです。


メディアに度々取り上げられる、

米国専門誌による

「優れた日本庭園ランキング」




(ネット画像借用)

連続第一位の「足立美術館 庭園」島根



調べると、専門誌は「ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニング」創刊は1998年で、発行人は米国人のダグラス・M・ロス(Douglas M. Roth)、海軍兵学校を卒業後、来日し、鎌倉で5年間造園修行を経て、米メーン州で日本建築家として活動しているらしい。


「優れた日本庭園ランキング」は、2003年以来毎年発表され、現在は30名前後の日米豪欧の専門家が評価しているそうだ。



(ネット画像借用)

連続第二位の「桂離宮」京都


発足以来、1位は「足立美術館 庭園」、2位は「桂離宮」は変わらず、3位には東京の「山本亭」が一番多く選出されている。


足立美術館は未訪問、桂離宮は納得、足元の山本亭が未訪問だったので、足を運んでみました😊


「山本亭」は、東京、葛飾、柴又…

そうです、寅さんの故郷


(ネット画像借用)





柴又帝釈天



山本亭は、帝釈天の裏、江戸川寄りにある

山本亭 入口 長屋門

『大正末期から昭和初期に建築された和洋折衷の建物と純和風の庭園とが調和 したもので、同時代に建築された建物等が消失していくなかで葛飾区のみなら ず都内においても、日本の建築史を知るうえで貴重な文化遺産です。

 建物は、木造2階建て及び土蔵。地下防空壕・長屋門からなり、伝統的な 書院造を骨子として洋風建築の要素を取り込み、随所に近代和風建築の特徴を 有しています。また、庭園は、縁先の近くに池泉を背後には緑濃い植え込みと 築山を設け、滝を配すなど書院造の庭園を基本としたもので、昭和初期におけ る庭園を現在まで残しています。』葛飾区掲示板より

長屋門から、母屋を縁を巡るように、ハス池、防空壕、茶室を廻り玄関へ







(ネット画像借用)




書院

縁側から庭を眺める


応接間(洋間)





露地

「優れた 日本庭園ランキング」第三位!?…


彼らの評価は、『おじいちゃんの家の座敷で美しい庭を見ながら、のんびり過ごすような和みの空間』を高く評価しているらしい…😮


正直、“美しい庭” というところから躓く、樹木が重なりすぎて、鬱陶しい、安らぐ和みの空間とは言いがたい…のでは?


庭石、飛び石、露地石が大きすぎて、不細工で圧迫感もある…


さて、2023年のランキングを見ると

1位から15位まで


1 足立美術館 島根 美術館

2 桂離宮 京都 国有財産

3 山本亭 東京 旧個人邸

4 皆美館 島根 料亭旅館

5 庭園の宿 石亭 広島 旅館

6 松田屋ホテル 山口 旅館

7 玉堂美術館 東京 美術館

8 二条城 二の丸庭園 京都 史跡

9 養浩館庭園 福井 旧藩主別邸

10 三景園 広島 空港記念公園

11 栗林公園 香川 旧藩別邸

12 隠れ里 車屋 神奈川 料理店

13 無鄰菴 京都 旧山県有朋邸

14 石和かげつ 山梨 旅館

15 Museum李朝 京都 美術館


50位まで見ても、日本庭園の最高峰といわれる「西芳寺(苔寺)」が出てきません。「金閣寺」「銀閣寺」「龍安寺」「天龍寺」「仙洞御所」「修学院離宮」も出てきません!



確かに「足立美術館」は、日本庭園でありながら、刈込、岩の配置、白砂青松などは、フランス庭園かと思えるほど『整っています』




ベルサイユ宮殿 フランス式庭園
(上記2枚ネット画像借用)


ランキングを見ると、小堀遠州由来の池泉庭園が好みで、枯山水、露地はお好きではないようですね

西芳寺の“苔”は、庭園のカビなのでしょうか?…


「金閣寺」「銀閣寺」「龍安寺」が入っていない理由に、あまりに人が多すぎて、せっかくの庭がよく見えない、静かな時間が持てない場所は海外の専門家に評価されにくいと答えています。この点は同意できるのですが、「優れた日本庭園」ではないと?

まぁ、ランキングがミシュランと同様に『外国人にやさしいか?』、『旅行者が見学してガッカリしない日本庭園か?』という観点ならしょうがないかと…


しかし、「桂離宮」が入って「修学院離宮」が入っていない理由が分からない

発行人は、鎌倉で修行したようだが、夢窓疎石の瑞泉寺庭園はただの洞穴だったのか?


ジャーナル・オブ・ジャパニーズ・ガーデニングの「優れた日本庭園ランキング」は、海外から見た旅行者向けでであり、彼らの評価基準によるランキングである

これを励みに、各施設の関係者が努力することは良いことだか、往々にして、日本の美である「不完全さ」や「あいまいさ」を忘れ、整いすぎた、人工的西洋庭園に向かっているならば、異議を唱えたい


『掃除の行き届いている庭の掃除をするよう師匠に命じられた17歳の千利休は、木を揺らして葉を落とし「秋は落ち葉が散っているほうが良い」と言ったとか。

完璧すぎては面白みがない、という風潮は茶の湯においてはよくあること。茶碗は真ん丸ではないし、茶入の蓋に虫食いのような跡があれば喜ばれる。花を生けるときは「野にあるように」と、これも利休。

自然のままに。あるがままの美しさ。』参照元 THE KYOTO 茶の湯の四季