わりと静かに開催している『TORIO パリ・東京・大阪モダンアート・コレクション』at 国立近代美術館
中身はエキサイティングでした
連動するコレクション展も◎
なかなかおもしろい😊
『ごあいさつ
このたび、バリ、東京、大阪という、それぞれ独自の文化を育んできた3都市の美術館のコレ クションを集めて紹介する展覧会 「TRIO パリ・東京・大阪 モダンアート・コレクション」 を開催する運びとなりました。セーヌ川のほとりに建つパリ市立近代美術館、皇居にほど近い東京国立近代美術館、 大阪市中心部に位置する大阪中之島美術館は、いずれも大都市の美術館として、個性的 で豊かなモダンアートのコレクションを築いてきました。本展覧会は、これら3館の共同企画 として、各館のコレクションの中から共通点のある作品を選んで「トリオ」を組み、それに よって会場を構成するという、これまでにないユニークな展示を試みます。時代や流派、洋の東西を越えて、主題やモチーフ、色や形、素材、作品が生まれた背景など、自由な発想で組 まれたトリオの共通点はさまざまです。総勢110名の作家による、絵画、彫刻、版画、素描、 写真、デザイン、映像など150点の作品で組まれた34組のトリオは、見て、比べて、話したく なる意外な発見に満ちています。さらに、これらのトリオをテーマやコンセプトに応じて分類し た7つの章を通して、20世紀初頭から現代までのモダンアートの新たな見方を提案し、その 魅力を浮かびあがらせます。本展覧会の開催にあたり、特別協力いただきましたパリ市立近代美術館とパリミュゼ、ご協 賛いただきましたSOMPOホールディングス、ダイキン工業、三井住友銀行、三井不動産、 ライブアートブックス、ご協力いただきました日本航空ならびに関係者のみなさまに厚く御礼 申し上げます。主催者』会場パネルより
展示構成は、
1コレクションのはじまり
Ⅰ 3つの都市∶パリ、東京、大阪
Ⅱ 近代化する都市
Ⅲ 夢と無意識
Ⅳ 生まれ変わる人物表現
Ⅴ 人間の新しい形
Ⅵ 響きあう色とフォルム
Ⅶ 越境するアート
ほぼ全ての作品が撮影可能です
1 コレクションのはじまり
三つの美術館にとって重要な作品
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佐伯祐三 郵便配達夫 1928年
大阪中之島美術館(NAKKA)
美術館発足の契機となった山本發次郎コレクションの一枚
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ロベール・ドローネー 鏡台の前の裸婦(読書する女性) 1915年
パリ市立近代美術館(MAM)
開館の契機となった美術品コレクターのモーリス・ジラルダン博士遺贈作品
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安井曽太郎 金蓉 1934年
東京国立近代美術館(MOMAT)
1952年度購入、最初の購入作品の一枚。モデルの小田切峰子は5か国語を流暢に話した。彼女の中国語のあだ名が金蓉(チン・ジョン)
Ⅰ 3つの都市∶パリ、東京、大阪
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長谷川利行 新宿風景 1937年
MOMAT
長谷川利行(1981〜1940)は今回の新発見だった。生年は岸田劉生と同級となる。京都生まれ、東京で独学で画家となる。第14回二科展で樗牛賞を受賞するが、浅草近辺の貧民街で一日中絵を描いているか、絵を換金して酒を飲むかだった。ついには、著名人のところに押しかけて絵を描き、金をせびるなど生活は荒れ果てて、最後は施設で人知れず亡くなった。MOMATコレクション展ブログで再掲👍
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河合新蔵 道頓堀 1914年
NAKKA
道頓堀って昔は船遊びも出来て、岸の四階建ての家屋は趣きがありますね
都市のスナップショット 大阪
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百々俊二 豊島区京橋2008.3
2010年
Ⅱ 近代化する都市
イタリア未来派のボッチョーニ。街灯に照らされた街路を路面電車が疾走する
広告とモダンガール
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パブロ・ガルガーリョ モンパルナスのキキ 1928年 MAM
時代のミューズ、アリス・プラン(キキ)(1901〜1953)はカフェの歌手、女優、モデル、画家として活躍
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古賀春江 海 1929年 MOMAT
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池田遙邨 戦後の大阪 1951年
NAKKA
池田遙邨(いけだようそん 1985〜1988)「戦後の大阪」は、かつて大阪に存在した建物や、戦災焼失を免れた大阪城天守閣が混在している
都市のグラフィティ
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フランソワ・デュフレーヌ 4点1組 1965年 MAM
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佐伯祐三 ガス灯と広告 1927年
MOMAT
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ジャン=ミシェル・バスキア
無題 1984年 NAKKA
ストリートに溢れる文字は、言葉であり記号なんですね
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ラウル・デュフィ 果物棚 1915年
MAM
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アンドレ・ボーシャン 家と庭
1950年 NAKKA
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辻永 椿と仔山羊 1916年 MOMAT
戦争の影
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左から、ジャン・フォートリエ 森
1943年 MAM、北脇昇 空港 1937年 MOMAT、吉原治良 菊(口) 1942年 NAKKA
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ヴィクトル・ブローネル
ベレル通り2番地2の出会い
1946年 MAM
題名はアンリ・ルソーがかつて住んだ場所にブローネルが引っ越したことによる。ルソー「蛇使いの女」に自分が生み出した怪物“コングロメロス”を書き込んだ
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有元利夫 室内楽 1980年
MOMAT
私の一推し作品。不思議な落ち着いた空間を感じる。土を感じる赤い壁、テーブルには線が引かれ、大きな体躯の女神が、赤い玉を動かし、音符かな、作曲しているのかな…
有元利夫(1946〜1985)は、イタリアのフレスコ画特にピエロ・デラ・フランチェスカと日本の仏画に魅せられたという。油絵に岩絵具や箔、金泥など日本画の技法も使用するらしい、それが日本画のような柔らかな色彩を出しているのか、初期バロックのアンダンテが聞こえてくる
![](https://stat.ameba.jp/user_images/20240619/19/yama-chan1/08/48/j/o0923108015453507128.jpg?caw=800)
ルネ・マグリット レディ・メイドの花嫁 1957年 NAKKA
山高帽の男の背には、ボッチチェリの「春」のフローラが描かれる