パリ・オペラ座 響き合う芸術の殿堂 | やまちゃん1のブログ

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東京駅から東京ミッドタウン八重洲を通ってアーティゾン美術館に向う



来年グランドオープンの東京ミッドタウン八重洲 既に、1階から4階には中央区立城東小学校が入居し9月から授業を開始、校庭も温水プールもあるそうです

校庭 ネット画像


高層ビルに公立小学校… 
メタバース空間みたいです




パリ・オペラ座の歴史は
太陽王ルイ14世のバレエ好きから
始まる

ブロンドの乱(1648〜53)で貴族勢力に勝利したルイ14世は、
絶対王政を確立するが、
貴族の間にくすぶる反乱の芽を
つぐむため、 
バレエなくしては上流階級
にあらずとバレエを推奨し、
国家儀礼に加えた

王自らがバレエを踊り、
音楽、美術にさきがけて、
舞踊アカデミーを創設し、
パリ・オペラ座を竣工

バレエの殿堂となった



展覧会の構成は、

序曲∶ガルニエ宮の誕生
第Ⅰ幕∶17世紀と18世紀
第Ⅱ幕∶19世紀〔1〕
第Ⅲ幕∶19世紀〔2〕
第Ⅳ幕∶20世紀と21世紀
エピローグ∶オペラ・バスティーユ


一部を除き写真撮影は不可のため、ネット映像を借用しました

【参考】
ルイ14世(1638〜1715) イアサント・リゴー画 1701年


第Ⅰ幕∶17世紀と18世紀

1653年に宮廷で催されたバレエ『夜』の衣装、マンドリンを持つルイ14世


ルイ14世は自らバレエの衣装を身につけ、何度も演じたらしい
室町将軍家は「能楽」、信長や秀吉は「茶の湯」、為政者は文化芸術を統治に使うのが上手いですね


第Ⅲ幕∶19世紀[2]

油彩絵画はここがメインかな…


レオン・ボナ サランボーを演じるローズ・キヤメロン 1897年

女優さんの眼力がすごかった
レオン・ボナはフランスの画家でサロンの重鎮 肖像画家でエコール・デ・ボザールの学長にもなった


エドゥアール・マネ ハムレット役のフォールの肖像 1877年

フォールはオペラ座でハムレットを100以上演じたという名優

マネが得意とする黒の衣装が活きていない。理想化されていないフォールの体格は頭が大きく不格好
足は描線が残って、所々色が抜け幽霊のよう… ハムレットだからかな…

フォールからも批評家からも評価が低かったらしい


エドガー・ドガ バレエの授業 1873―76年

少女たちのチュールに巻いた色鮮やかなリボンが水槽の熱帯魚のようだ
背中を向けた二人の少女、赤い扇と髪飾り、背中を掻くポーズがかわいい、ダンス教師とのつくる構図


エドガー・ドガ 右手で左足を持つ踊り子 1896―1911年


エドガー・ドガ 舞台袖の3人の踊り子 1880―1885年


エドゥアール・マネ オペラ座の仮面舞踏会 1873年


エドゥアール・マネ オペラ座の仮面舞踏会 1873年

舞台はオペラ座の回廊、そこは売春や不貞の恋を求めて男女が集まった場所。シルクハットに正装した黒い集団の上流階級の紳士に、色鮮やかな仮装をした娼婦。2階から投げ出された足が渦巻く欲望を表す。右から2番目の男は一人鑑賞者に目を向ける。その男はマネ自身で「世界の一部でありながら客観的にそこから距離をとった観察者として自分を位置づける」マネの意図かある


ジャポニスム・バレエ『夢(ル・レーヴ)』は戦国時代の日本が舞台



マルク・シャガール オペラ座の人々 1968―71年

シャガールは当時の文化相アンドレ・マルローから依頼され、オペラ座の天井画を制作した。1964年公開


マルク・シャガール オペラ座天井画



どの国よりもバレエ音楽が好きな
フランス
その原点がルイ14世の統治政策
だったことがよく分かる

通常の展覧会というより、
パリ・オペラ座と諸芸術との
多様なつながりをテーマにした
バレエ、オペラの資料が豊富で
博物展のような感じ

★★★☆☆


常設展示では、「Art in Box―マルセル・デュシャンの《トランクの箱》

とその後」を開催





瀧口修造・岡崎和郎 「檢眼圖」
1977年

光の当て方でこうなるらしい…



美術館を後にすると、夜の帳が下りてきた


空を見上げると、皆既月食が始まっていた…


ネット映像