響きあう名宝―曜変・琳派のかがやき―静嘉堂@丸の内 | やまちゃん1のブログ

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静嘉堂創設130周年 

新美術館開館記念展Ⅰ


「響きあう名宝 曜変・琳派のかがやき」


静嘉堂創設130周年とは、三菱2代岩﨑彌之助が、日本を含めた東アジアの美術品の収集と研究の場として、1892年(明治25年)に岩﨑家駿河台本邸に静嘉堂を開設。2022年が創設130周年、世田谷区岡本の静嘉堂文庫美術館の30周年にあたる。静嘉堂文庫美術館を、東京丸の内の明治生命記念館(重要文化財)に移して2022年10月1日に静嘉堂@丸の内としてオープン。三菱の本拠地丸の内に美術館を創るのが彌之助の夢だったらしく、彼の意志を継いで、彌之助と息子の小彌太の洋画のコレクションを三菱一号館美術館に、そして今般、日本・東アジア美術を展示する静嘉堂@丸の内が誕生した。



展覧会の構成は、

第1章 静嘉堂コレクションの嚆矢

ー岩﨑彌之助の名宝蒐集ー


第2章 中国文化の粋 第1部 宋〜元時代/第2部 明〜清時代


第3章 金銀かがやく琳派の美


第4章 国宝「曜変天目」を伝えゆくー岩﨑小彌太の審美眼


特別展示



明治生命記念館






静嘉堂@丸の内 入口



右 岩﨑彌之助(三菱2代 1851〜1908)
左 岩﨑小彌太(三菱4代 彌之助長男 1879〜1945)
三菱財閥は、初代岩﨑彌太郎と弟の2代彌之助の兄弟家が交代で総帥についていた


展覧会は写真撮影禁止のため、写真はwebより借用しました


第1章 静嘉堂コレクションの嚆矢
   ー岩﨑彌之助の名宝蒐集ー

大名物《唐物茄子茶入 付藻茄子》南宋〜元時代 13〜14世紀

足利義満から松永久秀、織田信長、豊臣秀吉に愛玩され、本能寺の変(1582年)で火中し、大阪夏の陣(1615年5月)で大破するが、灰燼から破片が拾い出され、奈良の塗師、藤重藤元・藤巖父子により修復され、家康が「付藻茄子」を藤元に、同時に修復した「松本茄子」を藤巖に下賜した
大名物《唐物茄子茶入 利休物相(木葉猿茄子)》南宋〜元時代 13〜14世紀

千利休、徳川将軍家、仙台藩伊達家に伝えられた
盆は、小堀遠州が選定した 南宋時代のもの




倭漢朗詠集 太田切 平安時代 11世紀 国宝

藤原公任(966〜1041)の選による「和漢朗詠集」を大陸から舶載された唐紙に下絵を描き、漢詩と和歌を対照的な書風で書写した

「太田切」とは、京都所司代を努めた掛川藩主太田資愛(1739〜1805)が旧蔵したことによる



古備前高綱 《太刀 銘 高綱》
附∶朱塗鞘打刀拵 鎌倉時代 12〜13世紀 拵 桃山時代 16世紀

織田信長の家臣滝川一益が主君より
拝領した刀

朱鞘の拵は、戦国末期の様式で、色鮮やかな朱鞘、柄巻の革紐など「かぶき者」の匂いがする…
柄頭の金具には、織田木瓜(もっこう)と桐紋が配され信長の意向で造られたもの


第2章 中国文化の粋 第1部 宋〜元時代/第2部 明〜清時代




伝 馬遠 《風雨山水図》南宋時代13世紀 国宝

写真では分からないが、天を突くように伸びた中央の松は、松の葉が藍の淡彩が雨に濡れて瑞々しい。画面下の水面、奥に悠然と聳え立つ山々との対比。よく見ると、左下には山道を傘をさして上っていく男が一人…





牧谿 《羅漢図》南宋時代 13世紀

懸崖の岩座に座す白衣の羅漢。大蛇が口を開けて羅漢を襲おうとしているが、羅漢は微動だにしない。
岩や樹木、空気さえも羅漢に吸い込まれ、強力な磁場を形成している
 

因陀羅筆 礎石梵掎題詩
《禅機図断簡 智常禅師図》元時代14世紀 国宝





第3章 金銀かがやく琳派の美


俵屋宗達 《源氏物語関谷澪標図屏風》江戸時代 寛永8年(1631)
六曲一双 国宝


右隻 関谷

石山寺へ詣でる光源氏と京へ戻る空蝉一行が逢坂の関ですれ違う場面


左隻 澪標

光源氏が住吉大社を参詣、船で大社を訪れた明石の君は賑やかな源氏一行に圧倒され、着岸せずに住吉を去る

どちらも光源氏と女性の邂逅を当人を描かずに表現

岩崎彌之助が醍醐寺復興の寄進に対する返礼として贈られたらしい




酒井抱一 《麦穂菜花図》江戸時代
19世紀

抱一の花鳥図は何点も見てきましたが、その中でも出色の出来ではないでしょうか

真っ直ぐに伸びる麦穂にザラつく触感を感じ、雲雀が降下する、曲線の菜の花、雲雀は風を孕んで翼を広げる


第4章 国宝「曜変天目」を伝えゆくー岩﨑小彌太の審美眼


龍泉窯 《青磁貼花牡丹唐草文深鉢》南宋〜元時代 13世紀

茶道具の水指に見立てられ、鴻池家に伝来。
胴の上下に革を鋲で留めた太鼓を思わせるため「太鼓胴」と呼ばれる。
蓋の取っ手は牡丹の花芯を表したものか…
全体にエロチックな印象…



景徳鎮官窯 《青花八吉祥唐草文双耳壺》清時代 (1736〜95)

乾隆帝の時代、古代青銅器の形を写した大壺。
シンメトリカルで白地に青が美しく、その後のヨーロッパ陶器を思わせる



しんがりは 国宝《曜変天目(稲葉天目)》
完品は世界に三椀のみという曜変天目茶碗
そのいずれもが日本にある…



稲葉天目は何度も見ましたが、今回の展示が一番良かったと思う




薄暗がりに、青から藍に輝く星
神秘の小宇宙

茶室での眺めを想像する…



足利将軍家の同朋衆、相阿弥は「曜変は建盞の内の無常也。世上になき物也。」唐物茶碗の筆頭と記している

この曜変天目茶碗は、江戸時代初期、徳川家光から乳母の春日局に下賜され、春日局の元嫁ぎ先の淀藩主稲葉家に継承された

大正7年に東京美術倶楽部の売立に出品され、三井財閥の小野哲朗氏が16万8千円で購入(現在の価格で約16億8千万円らしい)


昭和9年に岩﨑小彌太の所有となる
小彌太は、「名器を私に用うべからず」とし、生前一度もこの茶碗を使用することはなかった



11月10日からの後期展示も
見逃せませんね


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ランチは八重洲地下街にある南インド料理の名店「エリックサウス」


昼過ぎにはお客さんの半数以上がインド系などの外国人

南インド料理の名店です


鯖のフィシュカレー、豆カレー、チキンカレー


インド米に絡ませて最高です

<⁠(⁠ ̄⁠︶⁠ ̄⁠)⁠>

ごちそうさま





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