名誉毀損に言う名誉とは、人の品性、徳行、名声、信用等の人格的価値について社会から受ける客観的評価のことを言い、名誉感情はこれに含まれない。
損害賠償請求の要件事実
1 被告が原告の社会的評価を低下させる事実を流布したこと
2 1により原告の社会的評価が低下したこと
3 被告の故意または過失
4 損害の発生及び額
5 3と4の因果関係
新聞、テレビ報道、ネット記事による名誉毀損の場合、社会的評価が低下したか否かは、一般の読者または視聴者の普通の注意と読み方を基準として判断すべきである。
損害は、精神的損害が主であるが、被害者に主観的に精神的苦痛が発生しなければならないものではなく、精神的損害も客観的に評価されるべきである。そこで、精神的損害の発生の有無及びその程度は、社会的評価の低下により客観的類型的にとらえられる。