日立妻子6人殺害、31日初公判 訴訟能力の有無争点 弁護側 疾患で事件記憶欠落 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

最高裁は、被告人の訴訟能力を、「被告人としての重要な利害を弁別し、それにしたがって相当な防御をすることのできる能力」と定義している。

 

刑事訴訟法314条1項は、被告人が「心神喪失」の状態にあるときは、公判手続きを停止しなければならないと規定する。

 

<以下、茨城新聞より抜粋>

 

茨城県日立市田尻町の県営アパートで2017年10月、妻子6人を殺害し建物に火を付けたとして、殺人や非現住建造物等放火などの罪で起訴された無職、小松博文被告(36)の裁判員裁判初公判が31日、水戸地裁で開かれる。弁護側は「勾留中に患った疾患により被告は事件当時の記憶が欠落している」と公訴棄却を求める方針で、被告の訴訟能力の有無が争点になるとみられる。 6人殺害という事件の重さから、訴訟能力が認められた場合、裁判員制度が導入されてから同地裁で初の死刑判決が下される可能性もある。 被告は事件当時、「自宅に火を付けてきた」と日立署に出頭。逮捕後は「家族6人を殺害した後、火を付けた」「妻から別れ話を切り出された。妻を最初に殺害した」などと供述し、容疑を認めていた。事件前には「離婚を決めたが、子どもを妻に渡すことが不満だ」と知人に漏らしていたという。 検察側は約3カ月間にわたり、被告を鑑定留置。責任能力を問えると判断し、殺人罪などで起訴した。現場からは複数の刃物のほか、ガソリンの携行缶などが押収されている。 裁判員裁判に先立ち開かれた有印公文書偽造・同行使や詐欺罪などを問う区分審理で、被告は「(犯行を)覚えていない」と繰り返した。弁護側によると、被告は勾留中の18年11月26日に心肺停止状態となり、後遺症で事件当時の記憶が欠落している。 区分審理で結城剛行裁判長は、被告の記憶喪失を認めた上で「弁護人の援助や裁判所の後見的支援があれば、意思疎通は十分可能」と判断し、弁護側が求めた公訴棄却を認めず、今年3月、有罪の部分判決を出した。 区分審理の際、弁護側は被告の訴訟能力を鑑定するよう請求したが、同地裁は却下した。弁護側は今後も鑑定を求めていく方針という。 事件当時の記憶が欠落ししている被告は、事件について詳細を語ることはないとみられる。被告の訴訟能力を区分審理で認めた同地裁が、裁判員が加わる公判でどのような判断を下すかが焦点となる。 起訴状などによると、被告は17年10月6日午前4時40分ごろ、自宅和室で、妻の恵さん(33)のほか、小学6年の長女夢妃(むうあ)さん(11)、小1の長男幸虎(たから)君(7)、いずれも保育園児の次男龍煌(りゅあ)ちゃん(5)、双子で三男頼瑠(らいる)ちゃん(3)と四男澪瑠(れいる)ちゃん(3)=年齢はいずれも当時=を包丁で複数回刺し、玄関付近にガソリンをまいて放火し、殺害したとされる。 初公判は31日午前10時から。判決は6月30日に言い渡される予定。