とは言え、人間のことではなく、トイプードルの赤ちゃんです。
僕は、人生で、二匹の犬を飼いました。二匹とも、野良犬の父親または母親が道で産んでいた赤ちゃんを、引き取って育てたものです。
もちろん雑種中の雑種です。容姿も見るからに雑種で、毛質は硬く、風呂を嫌がるので(もちろんペットショップで散髪やシャンプーなんてとんでもない)、雨が降ったときなどはくっさかったですが、そのくさい臭いが好きでヤミツキで、よく呼び寄せて鼻をつけて嗅ぎました。僕にとっては癒し系の香りでした。
毛が長くてよく抜け、僕のオープンカーの幌は、ほんまは黒色なのに、ついた犬の毛で覆われてフッサフサの茶色になってました。
気が荒くてギャンギャン吠えてご近所に迷惑かけましたが、飼い主の僕には懐いていて、ほんまに可愛い子でした。二匹とも、老衰で亡くなるまで育てました。
死んでしまった後、いつまでも僕の車から、彼のくさみが取れず、また毛も本体がもういないのに、幌から離れずにたなびき続けていて、それを嗅ぎ、見る度に悲しみを引きずってきました。
そして、しばらくの間、とても次の犬を飼う気にならなかったのですが、このたびご縁に恵まれ、新たに娘を迎えることになったのです。それが冒頭のトイプードルなわけですが、トイプードルなる、愛されるために品種改良を重ねられたと思われる、血統書つきの犬をうまれてはじめて飼い、そのあまりの雑種との違いに驚愕しています。
まだ飼い始めたばかりですが、片手に余裕で余るほど小さく。その毛はホワッホワに柔らかく。それでいて毛は抜けにくくできている。家に来て、最初は人見知りするかと思いきや、しょっぱなから人間大好き全開の人懐っこさ。…っていうか、うちの子は、きっと奇跡?的な?美貌!人間で例えたら石原さとみ級の可愛さ。偏差値90くらい?もうとにかく存在そのものが、見る者全てをイヤーンて言わしめる、凄まじい引力で一気に飲み込んでしまうブラックホールのような爆発的な魅力なのだ!!!おそるべしトイプードル!!!
いや、もちろん、二匹の雑種のことも、未だに最高級に愛してますから、また全く別物の愛なんですけどね
続く