カヌー薬物混入 鈴木康大選手「地元開催の五輪に何とか出たくて…」 8年前から「5、6人に嫌がらせ | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

これが何罪を構成するかを考えてみました。

 

傷害罪は、人の生理的機能に障害を加えることとされていますので(生理的機能障害説)、ちょっと違うかな、と。

 

むしろ、「人を欺き・誘惑し、または他人の無知・錯誤を利用すること」(偽計)によって他人の業務を妨害しているので、偽計業務妨害罪ではないか、と。その場合、刑法233条後段によって、3年以下の懲役または50万円以下の罰金が法定刑です。

 

民事での損害賠償も受ける可能性があります。慰謝料・休業損害がメインでしょう。

 

<以下、産経新聞>

 

 2020年東京五輪を目指していたカヌー日本代表候補の鈴木康大選手(32)が、ライバルである小松正治選手(25)の飲み物に禁止薬物の筋肉増強剤メタンジエノンを混入させるという前代未聞の問題が9日、発覚した。五輪開催国としての信頼も失いかねない事態に、関係者の間には衝撃が広がる。「小松選手は若手で実力も伸びていた。地元開催の五輪に何とか出たい思いがあった」。鈴木選手は動機をこう説明しているという。

 

「完全に裏切られた」。9日、東京都渋谷区の日本カヌー連盟本部で会見した同連盟の成田昌憲会長はこう話すと、苦渋の表情を浮かべた。

 同連盟によると、鈴木選手による薬物混入があったのは、昨年9月に石川県小松市で開かれた日本カヌースプリント選手権大会の会場だった。他競技の選手がメタンジエノンでドーピング違反になったことを知り、「他の人に入れたらどうなるんだろう」と考えた鈴木選手は、海外遠征中の8月中旬にインターネットを通じて同薬物を購入。大会期間中に千葉県にある実家を経由して、会場近くの宿舎に送ったという。

 

薬物は宿舎で錠剤を砕いて粉状に加工。カヤックシングル200メートルが行われた9月11日、人知れず薬物を会場に持ち込み、出場各選手が水分補給のため水飲み場に置いていた飲み物のボトルの中から、小松選手のものを選んで混入した。

 同連盟は11月17日、日本代表合宿で鈴木選手ら参加者に、一部の選手から陽性反応が出たことを報告。「このままでは東京五輪を迎えられない」などと、事態の重大性も訴えた。

 良心の呵責(かしゃく)から、まもなく「家庭の事情で合宿を抜けたい」と申し出た鈴木選手は、その後「相談したいことがある」と連盟幹部へ電話。20日に直接面会すると、「私がやった。私に愚かな点、至らない点があった」と打ち明けた。

 「本当に(陽性反応が)出るとは思わなかった。怖くなった」と弁解したという。

 

小松選手はそれまでにも、自分の位置を確認するために練習で使用するGPSを盗まれたり、カヌーをこぐパドルにヒビを入れられたりするなどの嫌がらせを受けていたが、鈴木選手はこれらについても「自分がやった」と説明。他にも約8年前から、自分よりランクが上のトップ選手5~6人に同様の嫌がらせを行っていたという。

 

卑劣な行為の被害に遭った小松選手だが、薬物の陽性反応が出た際、電話で真っ先に相談したのも鈴木選手だった。

 連盟関係者は「普段は非常に仲が良く、小松は鈴木を信頼していただけに、にわかには信じられない話だった。焦りが鈴木を狂わせてしまったのか」とうなだれた。