「抱きしめたい」酷似でミスチルに謝罪 CD発売元公式HPで「著作権侵害に相当」 | 山岸久朗オフィシャルブログ「正義は我にあり!!」Powered by Ameba

著作権には、著作財産権と著作者人格権があります。

財産権には、複製権、上演権・演奏権、公衆送信権、頒布権、二次的著作物の利用権などがあります。

人格権には、公表権、氏名表示権、同一性保持権などがあります。


著作権は、第三者の行為を全て排除することができるのではなく、著作権者に独占させることにより経済的利益を確保させることが妥当なものに限り独占を認めています。


著作物とは、「思想または感情創作的表現したものであって、文芸・学術・美術または音楽の範囲に属するもの」を言います(法2条1項1号)。


故意・過失により、著作権・著作者人格権・出版権・著作隣接権や実演家人格権といった権利を侵害した者は、権利者が被った損害を賠償する義務を負担します(民法709条)。


巷には多くの著作物が溢れていることは周知の前提ですから、これを利用する者には著作権を侵害しないように配慮すべき高度の注意義務があり、権利侵害をした張本人の「知りませんでした」などという弁解が通る可能性は極めて低いです。


著作権に基づく損害賠償は、著作権法に特則があります。


著作権法114条1項は、著作権者が販売している製品と侵害者が著作権を侵害して製造販売している製品が市場における競合製品となっている場合において、著作権の侵害製品の譲渡(=販売)数量に、著作権者が侵害行為がなければ販売できた物の単位数量当たりの利益率を乗じたもので、著作権者の販売能力に応じた額を超えない額を、損害額としています。

著作権の侵害製品の販売個数を立証することは、著作権者としてもある程度は可能であるが、侵害製品を販売することによって得られる単位数量あたりの利益額(売上げ額ではない)を立証することは、他人の懐を覗かなければならないことであるだけに、難しい。そこで設けられた規定です。


114条2項は、著作権の侵害製品を製造・販売することで侵害者が得た利益額を直ちに著作物の著作権侵害により被った損害額と推定する、事実推定規定です。


114条3項は、著作権者が著作権侵害者に対して、著作権の利用に対して受けることができる金銭の額を損害賠償として請求することができるとするものであり、賠償額の最低限度を法定しています。


<以下、デイリースポーツから引用>


歌手・平浩二(66)の曲「ぬくもり」(5月発売)が、Mr.Childrenの大ヒット曲「抱きしめたい」(92年)の歌詞に酷似していると指摘された問題で、CDの発売元である徳間ジャパンコミュニケーションズが13日、公式ホームページで謝罪文を掲載。「著作権侵害に相当するものと判断」との認識を示し、商品の回収を決定したことを発表した。

同社では、「抱きしめたい」との近似性について、「同一の部分が数多く存在している事実を認識し、著作権侵害に相当するものと判断」したと説明。ミスチルやミスチルファンに対しても「ご心配、ご迷惑をお掛けしました」と謝罪している。

【以下、公式HPの文面全文】

 平素は格別のご愛顧を賜り、厚く御礼申し上げます。

 さて、弊社が本年5月13日に発売いたしました平浩二のCDシングル「愛・佐世保」(TKCA-90689)の収録曲「ぬくもり」の歌詞につきまして、Mr. Children様の「抱きしめたい」の歌詞と極めて相似するとのお問い合わせやご指摘をいただくなど、お騒がせいたしまして大変申し訳ございませんでした。

 弊社では、本件詳細を調査中でありますが、「抱きしめたい」との近似性につきましては、同一の部分が数多く存在している事実を認識し、著作権侵害に相当するものと判断し、出荷を停止しておりました同商品の回収を決定したことをお知らせいたします。

 尚、弊社は当該関係者に対して厳正なる対処にて臨む所存でございます。

 Mr. Childrenの皆様、Mr. Childrenファンの皆様、関係各社の方々にご心配、ご迷惑をお掛けしましたこと、重ねてお詫び申し上げます。