【レディ“L”の肖像㉖ 「迷惑行為」の宣告5 お姐さん方の「理解」 | A300yamadaのブログ

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このテーマの最初の記事はこちらです。

これはこの記事の続きです。

 

L”は非常に他の踊り子たち、とくにお姐さん、つまり先輩踊り子をとても大切にして、なおかつそれを前面に出す踊り子だと思う。

様々な場面で一貫した態度である。私からみてもその態度は美しいと思うし、もちろんその気持ちに嘘はないと思う。と同時にその態度は、彼女がトリを取る踊り子としてこの世界で生き抜いていくために培ったに違いないと思うのだが。

ブログの記事ではこう続く。

《他のお姐さんへのお手紙を見逃せず今回こういうことを書きましたが、お姐さん方はわたしが困っていることも理解してくださっています。》

彼女はFチャットに出演するため、公演期間中の出演を終えた夜間にさえ、急ぎ“L2”が自宅だといったカメラの部屋へ戻ったように見える。正確に測れたわけではないが、おそらくチャット出演は11時間半以上は要していたと思う。

拘束時間の長いストリップの公演中、劇場との往復に加えこの時間をとるというのは相当ハードな余技だろう。他の踊り子たちとの間に違和感を生じずに黙ってやり通せるとは思えない。彼女たちの方が一般客よりもそういう世界について情報的に通じているのではないだろうか。

彼女がそれをせざるを得なかった背景にある抱えている困難な事情について、当時の共演の踊り子たちからなんらかの了解がなかったら、そのような副業は実行不可能だと思うのだ。この言葉にもそれは隠れていると思う。“P”さんにまでそれを説明したとは思えないのだが。

ストリップの世界では年功序列や長幼の序は礼儀とか習慣とかの面では求められても、楽屋での扱い、ギャラ、といった点でトリを務める踊り子はそれとは別に優遇されていると聞く。その必然性を他の踊り子たちも理解していなければストリッパーとして生きていけないとすら思う。

ストリップでトリを取れるかどうかは、年功序列ではなく、ストリッパーとしての重みである。それは若さに裏打ちされた人気がものをいう面もあるだろうがそれだけでもない。観客を惹きつける力が強いかどうかである。

人並み外れた容姿や体つき、安定した踊りの実力、それにステージをまとめるための姿勢などの総合的なものが必要だと思う。

トリを取ることが決められた踊り子は、特に先輩の踊り子から好き勝手やっていると見られたら命取りになるし、“L”はそういう所で怠りなく気遣いができるように見える。自分のファンからその人たちへの不適切な行為は重大な『迷惑』なのだ。

そのような信頼感を得ていることへの自信が私への一方的な態度をもたらしているように思う。そして“L”は、このような公開の攻撃を私に加えることで、比類ない苦痛を私に与えることに成功した。

踊り子が無礼な客に対して非難がましい態度をとることはストリップの世界では特別なことではないと思っている。自分が踊り子を支配できると考えたり、ストレスを手前勝手にぶつけたりするようなことをされて、どうしても演技を披露することができないことになれば、「退場宣告」を与える権利があるのだ。

私は何年も“L”をはじめたくさんのストリッパーたちに、わがままも言うかもしれないが、常に敬意を払い感謝を込めて対してきたつもりだった。それでも“L”の注意には事実も含まれているに違いないと思い、反省もした。たしかに“P”さんに対してうかつにも新たに失礼な態度を見せてしまったが、それはそうしてしまう必然性もあってのことだ。

まだ忘れていないのか、といわれるとすれば、それは忘れかけてはいたが、客として傷つけられたという思いが無視され続けたのは事実であり、ストリップを愛する限り消えることはない。

公開処刑のような屈辱的な形で私に不名誉な烙印が押された。痛恨のミスである。そして私がこれを言いつのり続けるなら、“L”に限らず、踊り子総てを敵に回すことになりかねない。私に味方に付くか“L”の味方に付くか、なんて、相手がどこの所属だろうが、訊くだけ野暮だ。

(続く)