映画「舟を編む」 | 遠距離大学に進学した次男や就職した長男のこと

遠距離大学に進学した次男や就職した長男のこと

就職1年目の長男と大学1年の次男,2人の息子をもつ父の日記です。

 出版社の辞書編集部を舞台に,新しい辞書づくりに取り組む人々の姿を描いた作品です。
 原作は三浦しをんの同名小説。


 面白かったですね~。
 私は言葉が好きで,興味もあります。

 15年という年月をかけて,「大渡海(だいとかい)」という大きな辞書を作り上げます。

 関わった人たち,感無量じゃないでしょうか。


 映画を見ていて,特に「語釈」って面白いと思いました。
 例えば「右」という言葉をどう説明するか。
 辞書によって,異なる語釈をしています。

◆広辞苑 南を向いたとき,西にあたる方。
◆明鏡国語辞典 人体を対称線に沿って二分したとき,心臓のない方。
◆大辞泉 東に向いたとき南に当たる方。大部分の人が,食事のとき箸を持つ側。
◆google検索 相対的な位置の一つ。東を向いた時,南の方,また、この辞典を開いて読む時,偶数ページのある側を言う。

 「右」なんて当たり前に使っている言葉でも,いざ説明してくださいと言われると,全然説明できません。
 ある一つの言葉の語釈を考えるだけで,何時間もかかりそうです。

 私は電子辞書を使っていますが,広辞苑と明鏡国語辞典が入っています。
 英和辞典も複数あります。
 一つの言葉を複数の辞書ですぐ調べられるのは,電子辞書の良さです。

 この映画,ふんわりしていて気持ちがいいんですが,ちょっとスパイスが足りないかな~,なんて欲張りなことを感じました。
 出てくる人,全部「良い人」なんですね。
 ちょっと厳しい上司(鶴見辰吾)も,最後は差し入れなんかしちゃって。

 非社交的,付き合い下手な松田龍平。
 女性と付き合った経験もないのに,宮﨑あおい演ずる香具矢(かぐや)さんと結婚するのもびっくりしました。

 言葉で思い出したものがあります。
 「よさのる」
 わかりますか?

 朝などに,髪がうまくまとまらない,ボサボサの状態を表す言葉です。
 与謝野晶子の「みだれ髪」から,この言葉が生まれたそうです。
 いや~すごい。

 こういう気の利いた造語って好きです。