以前に書いた記事の続きです。
https://ameblo.jp/yakinoki/entry-12602245373.html
今回は「盤上にお互いの王とこちらの歩1枚だけ残って対局終了」という状況の局面数を考えてみます。
(1)こちらの歩が相手の王に触れず投了の場合
歩がと金になっている場合は以前に求めた金の場合と全く同様に24通り。
歩がと金に成らないということは通常の対局では起こらないと思いますが、ルール上はあり得て、その場合は以下の2通りと左右逆の状態を合わせて4通り。
従って全部で28通り。
持ち駒は全て自分の駒です。
(2)こちらの歩がと金にならず、相手の王に触れて投了の場合
この場合、盤上の状態は以下の図、及び左右逆の状態を考えて4通り。
持ち駒は全て自分の駒です。
(3)こちらの歩がと金となり、相手の王に触れて投了の場合
盤上の局面数は金の場合と同じ35通りで、持ち駒の状態は
歩…0~17枚の18通り
香…0~4枚の5通り
桂…0~4枚の5通り
銀…0~4枚の5通り
金…0~4枚の5通り
飛車…0~2枚の3通り
角…0~2枚の3通り
のすべての組み合わせがあるので18×5×5×5×5×3×3=101250通りとなります。
よって35×101250=3543750通り。
以上合わせて354万3782通りとなります。
ということはつまり…
「あるところでAさんとBさんが対局を行い、死闘の結果盤上には互いの王とAさんの金、歩、と金のいずれか1枚だけが残りBさんが投了した。」
その時の最終局面としてあり得るのは653万6282通りということになります。
最後に、逆に詰んでいない局面数を考えてみましょう。
金の場合は盤上の組み合わせが81×80×79=511920通りで、詰んでいる局面が59通りですので詰んでいないのは511861通り。持ち駒が85500通りですので437億6411万5500通りとなります。
しかしこれとは別に、金が直接触れていない状況で相手が持ち駒を持っている場合でも詰んでいませんので24×(85500-1)= 2051976通り。
合わせて437億6616万7476通りとなります。
歩の場合、と金であれば詰んでいない盤面は金と同様に511861通り。持ち駒は101250通りなので518億2592万6250通り。
またと金が相手に触れていない状態で相手が持ち駒を持っている場合でも詰んでいませんので24×(101250-1)= 2429976通り。
と金でない歩の場合はルール上問題ない盤面が72×80×79通り。持ち駒は101250通りなので460億7280万通り。
詰んでいる局面が8通り(持ち駒は全部自分の1通り)なので詰んでいないのは460億7279万9992通り。
合わせると、詰んでいないのは979億115万6218通り。
以上合わせて1416億6732万3694通りということになります。
つまり…
「あるところでAさんとBさんが対局を行い、死闘の結果盤上には互いの王とAさんの金、歩、と金のいずれか1枚だけが残りBさんの手番になっていてBさんはまだ詰んでいない。」
その時の局面としてあり得るのは1416億6732万3694通りということになります。
詰んでいない局面は、詰んでいる局面の21674倍ありました。
盤面上のコマ数が増えていってもこの比率(の桁数)が大きく変わらないのであれば、詰みの局面数は10の64乗程度、つまり那由他とか不可思議とかそういう数になります。
この見積もりが概ね正しいとすれば、「詰みの局面を全て調べて、その局面を評価値±9999としてコンピュータに覚えさせる」というのは現在の技術では不可能ということになります。しかし、この見積もりはあまりにも雑すぎるのでもう少し色々調べてみないといけませんね。(;^_^A
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